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ROM大臣さん
平均点: 6.07点 書評数: 135件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.2 4点 ドクター・スリープ- スティーヴン・キング 2023/07/07 12:45
雪に閉ざされたホテルを舞台に、怪異や幽霊が波状的に襲ってくる恐怖、正気を失っていく父の恐怖を描いた前作から30年後。「かがやき」といいう一種の超能力を持つ少年だったダニーは、父と同じくアルコール依存症に苦しむ中年男になっていた。
幽霊が次々に現れる前作は正調ホラーといった趣だったが、続編はホラーであると同時に中盤から真結族との駆け引きや死闘が中心となり、冒険小説的な要素も強い。この作品の中で、キングは特に新しいことをしていない。語られるのは真新しいストーリーながら、「呪われた町」「グリーン・マイル」など先行作品に出てきたイメージ、モチーフの変奏が多く、これは「ミザリー」で使った手だなという箇所もある。子供の日に見た悪夢や怖い映画、空想に出てきたモンスターを呼び戻す彼の小説は童心を感じさせ、死が物語の中核にあっても常にパワフルで若々しかった。それがここにきて、老いや死の描き方に微妙な変化が生じているように思える。

No.1 6点 キャリー- スティーヴン・キング 2021/06/24 16:20
狂言的な母親の異常な躾で育ったキャリーは、級友たちの嘲笑の中で初潮を迎えた。臆病で多感な少女が初めて、卒業前の舞踏会に晴れやかに出席した時、悪意で仕掛けられた豚の血が降り注いだ。
秘められていたキャリーのサイコキネシスは、悲しみと憎悪とともに爆発する。会場を、そして街を燃え上がらせた大惨事を、キャリーの心理と周囲の証言を織り合わせて綴る、モダンホラーの第一人者の処女作。

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