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よんさん
平均点: 6.51点 書評数: 79件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.3 7点 録音された誘拐- 阿津川辰海 2024/10/23 11:28
探偵事務所の所長が誘拐されるというのがまずユニーク。さらに依頼を受けた犯罪請負人が犯罪を美しく実行するというのもユニーク。そんな誘拐事件に、大野探偵事務所の他の二人の探偵、耳が良い探偵とカウンセリングを得意とする探偵が挑む。
という具合に、そもそもの事件の構図がユニークだし、そこからの展開もユニーク、そして真相は意外というものだが、それだけでは終わらない。終盤の終盤でこうだろうと思っていた光景が実はそうではなく、全く異なる綱渡りだったことが明かされる。二種類の衝撃を味わえる作品となっている。

No.2 8点 星詠師の記憶- 阿津川辰海 2024/05/07 16:14
二〇一八年、星詠師たちの研究施設で発生した射殺事件は、組織の都合で隠蔽された。現場に遺されていた水晶の映像から、星詠師の石神赤司を射殺したのは息子と判断し、内部で彼を幽閉したのだ。
犯行の一部始終を記録した映像がある状況をひっくり返す難題に加え、そこに連なる昭和の事件も探る濃密な一冊。真相の意外性も抜群だし、謎解きの果てに浮かぶミステリとしての構図も意外で、かつ美しい。

No.1 7点 透明人間は密室に潜む- 阿津川辰海 2023/08/21 14:32
表題作の「透明人間は密室に潜む」は、透明人間が殺人計画をするが、犯行現場の密室から逃げ出すことが出来なくなる。「六人の熱狂する日本人」は、とあるアイドルのファン同士の殺人事件の裁判で、裁判員にもそのアイドルのファンがいて話が意外な方向に。「盗聴された殺人」は、超人的に耳のいい探偵事務所事務員が、探偵とともに盗聴器に録音された音から殺人犯を推理する。「第13号船室からの脱出」は、リアル脱出ゲームが題材。
アイドルもそうだが、現代らしいモチーフを扱っているのが新鮮。どれも登場人物がストーリーを進めるための駒ではなく、人間味を感じさせるのが魅力的。特に表題作は、想定外の動機が明かされ驚いた。

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よんさん
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採点傾向
平均点: 6.51点   採点数: 79件
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