皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
じきるさん |
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平均点: 6.79点 | 書評数: 260件 |
No.8 | 9点 | 煉獄の時- 笠井潔 | 2022/10/14 15:49 |
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待望の矢吹駆シリーズ7作目。過去作の要素が随所に散りばめられており、このシリーズのファンには堪らない作品でしょう。第二部の過去編が大戦期の重厚な青春小説として非常に楽しめました。
ミステリ部分も、複雑に絡まった事件を解きほぐすカケルの現象学推理は健在で、細部までよく練られています。 |
No.7 | 5点 | 青銅の悲劇- 笠井潔 | 2022/04/09 22:24 |
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後期クイーン・ロジックへのアプローチが粘着質に過ぎる。本家矢吹駆シリーズに比べると疲労感を感じる読書だった。 |
No.6 | 7点 | 吸血鬼と精神分析- 笠井潔 | 2022/02/08 09:17 |
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矢吹駆シリーズ第6作で、ミステリ部分はよく出来てると感じました。カケルの推理が明かされる解決編は圧巻だし、その後のオチも素晴らしいです。
小説としては助長に感じる部分が多く、そこで完成度を損ねてるような……。 |
No.5 | 8点 | オイディプス症候群- 笠井潔 | 2021/12/22 18:42 |
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前作同様、思想哲学部分とミステリ部分のグルーヴ感が心地良く、作中の哲学論をクローズドサークルという舞台で演出する手腕が鮮やか。ミステリの大筋も不満点が無い訳ではありませんが、満足出来るものでした。
語りがくどいのが瑕だけど、まぁ笠井潔なのでと個人的には割り切ってます。 |
No.4 | 10点 | 哲学者の密室- 笠井潔 | 2021/05/31 22:54 |
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著者のミステリ論を、重厚な衒学と共にミステリの血肉として一体化させた、非常に完成度の高い傑作。
読み始めは内容を咀嚼するのに精一杯でしたが、不思議な引力を持った小説なのか、気付けば作品世界に没頭しているような幸せな読書でした。 |
No.3 | 7点 | 薔薇の女- 笠井潔 | 2021/05/23 18:17 |
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笠井潔らしさは控えめだが、謎解き部分は良い。
そういう意味で、『サマー・アポカリプス』とは違った読み味だが楽しめた。 |
No.2 | 9点 | サマー・アポカリプス- 笠井潔 | 2021/05/23 18:09 |
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カタリ派や黙示録など宗教衒学が非常に重厚で、決して読みやすくはないものの、思想対決や二転三転するストーリーの展開と併せて楽しめる。ミステリとしても事件全体の構図や見立ての理由の処理が素晴らしく、コテコテの本格ガジェットも相まって陶酔感に浸れる。 |
No.1 | 9点 | バイバイ、エンジェル- 笠井潔 | 2021/05/23 18:04 |
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斬新な首切りの真相や端正なロジックなど、一個の本格ミステリとして優れている。
心情・情景描写が瑞々しいのも良い。 思想対決も小説としてのインパクトを強めており、圧倒された。作者の迸る熱気が感じられる、会心の一冊。 |