皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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ぷちレコードさん |
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| 平均点: 6.24点 | 書評数: 311件 |
| No.4 | 5点 | 魔術はささやく- 宮部みゆき | 2026/02/18 21:36 |
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| 両親のいない日下守少年は、伯父大造一家のもとで暮らしていたが、ある日、大造が若い娘を車ではねてしまった。ここから思わぬ事件に巻き込まれていく。
物語は、伯父とその家族を救おうとする守の姿がメインに描かれていくが、作者はそこにサブストーリーを用意し、話を膨らませていく。大造一家をはじめ、高校の友達やバイト先の従業員たちとの交流を通じ、それまで失われていた絆を徐々に取り戻していくことになる。その意味で本書は、成長する少年の姿を生き生きと捉えた青春小説ともいえる。 |
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| No.3 | 6点 | 蒲生邸事件- 宮部みゆき | 2024/05/31 22:11 |
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| 二・二六事件のさなか、架空の人物・蒲生憲之陸軍大将の邸宅を舞台にした密室殺人事件がメインのテーマである。主人公は、二・二六事件の昭和十一年にタイムトリップしてしまった受験生の孝史。
孝史は予備校受験のため、蒲生邸跡地に建つホテルに泊まったばかりにタイムトリップに巻き込まれる。地方受験生のホテル探しで思わず見栄を張る父親など、相変わらず行き届いたディテールに感心。その父子の微妙な関係や、蒲生一族の確執、孝史と邸の女中・ふきとの愛情、タイムトラベラーの悲哀など、テーマが山盛りで楽しめた。 |
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| No.2 | 6点 | 理由- 宮部みゆき | 2024/04/23 22:22 |
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| バブル崩壊後に、寂しく取り残されたようなマンションに住む一家四人が、六月の台風のさなかに惨殺される。しかし彼らの身元を割る警察の作業は難航した。なぜなら、彼らはその部屋に住んでいたはずの一家ではなかったからだ。彼らの正体は、そして犯人は。
被害者一家を取り巻く人々にも家族がいる。その一つ一つを丁寧に描き分けようという作者の狙いは成功していて、それぞれの事情を追っていくのも面白い。 |
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| No.1 | 8点 | 火車- 宮部みゆき | 2020/05/14 19:52 |
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| クレジットやローンという現代社会の金融産業の異常な拡大と、その蟻地獄のような底なしのマネーの世界に呑み込まれてしまう、多くの犠牲者の姿。
現代社会の影のなかに、自分自身すらも失ってしまう人間たち。作者は、この異様な現実を、一本一本の糸を解きほぐすようにして描き出す。推理小説としても読みごたえがあり、同時に経済小説、社会小説としても面白い。火車とは「生前に悪事をした亡者を乗せて走る火の車」だという。いや、その「亡者」とは実はわれわれ自身であり、その車こそ、現代のこの社会自体である。 |
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