皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
ぷちレコードさん |
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平均点: 6.32点 | 書評数: 242件 |
No.3 | 7点 | 青の炎- 貴志祐介 | 2024/03/29 22:14 |
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主人公の櫛森秀一は、17歳の高校生。母と妹の三人で平和に暮らしていたが、元父親の曾根が家族の前に現れ、再び家に居座り始めてから、家族の平和が崩壊し始める。
秀一は幸せな家庭を取り戻すために、曾根を葬る完全犯罪を計画する。仕掛ける側に視点があることで、キャラクターと読者の見据える先は合致し、スリリングな展開が味わえる。そして高校生の青春と孤独な殺人者としての苦衷 が、表裏一体となり流れ着く先にある結末が、愛と青春の物語であることは見逃せない。美しくも切ない感動作。 |
No.2 | 7点 | 新世界より- 貴志祐介 | 2022/06/13 23:39 |
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未来の日本が舞台で、伝奇SFもしくは新世界冒険ファンタジーとでもいえる。
物語はヒロイン早季が子供時代を回想する手記形式で描かれている。いまから4年後の子供たちは呪力を手に入れることで大人になっていく。一方で、外界と町を隔てる「八丁標」から外に出てはならないなど、徹底的に社会に管理されていた。また、マケネズミやフクロウシなど奇妙な生き物が共存している世界だった。 いったいどうしてそれまでの文明が滅び、千年後にこのような世界が出現したのか。子供たちが消えるのはなぜか。恐るべき悪魔とはなにか。いくつもの謎をはらみつつ、早季たちは異形の怪物たちと戦い、隠された真実を暴こうとする。 奇抜な発想による世界観の妙とスリリングで波乱に満ちた冒険行の興奮。作者はあらゆる小説ジャンルの要素を混ぜ合わせ、新たな神話を生み出した。 なにより戦争を繰り返し、他人を攻撃してやまない人類の根源に迫るテーマを内包している。 |
No.1 | 7点 | 硝子のハンマー- 貴志祐介 | 2022/02/23 22:39 |
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ビルの12階、内廊下には監視カメラ、窓には嵌め殺しの防犯合わせガラス。密室であるはずの社長室で社長が殺された。
仮説を立てては壊し、立てては壊す純子と榎本の推理の顛末を描く第一部と、一転して犯人の視点から、殺人の動機や計画の詳細、犯行後の不安と孤独を描いた第二部。 論理的に構築された謎が論理的に解かれていく過程が楽しい。 |