皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
ぷちレコードさん |
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平均点: 6.32点 | 書評数: 242件 |
No.5 | 6点 | Dの殺人事件、まことに恐ろしきは- 歌野晶午 | 2022/10/14 22:49 |
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江戸川乱歩の作品を題材にした現代ミステリ短編集。
「人間椅子」、「陰獣」、「D坂の殺人事件」などが、作者の手によって、七つの現代的な妄執の物語へと再構成されている。決して乱歩のそれをなぞるのではなく、あくまでも作者のオリジナルのキャラクターとストーリーで綴っており、各編の鮮やかな結末も作者自身のもの。 それゆえに、歌野晶午の短編集として十分に楽しめるが、乱歩の作品を知って読むと、深読みの愉悦も堪能できる。 |
No.4 | 7点 | 密室殺人ゲーム2.0- 歌野晶午 | 2022/08/25 22:54 |
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ネットを介して繋がっている密室殺人愛好家が、実際に自分で密室殺人事件を起こして、その真相を同好の士に推理させるというこの小説の初期設定がそもそも本格マニアの気持ちをそそる。
このどっぷりとゲーム感覚に淫した虚構世界にあっては、解答者をより驚かせたほうが勝利となる。したがって結果的にいかに奇天烈なトリックであっても、それが意外であれば許されるのである。「いくらなんでも無理筋でしょ」と一笑に付すようなトリックこそ、この設定では至宝の輝きを放つ。 この虚構すぎる世界が、実は極めて現代的な問題をついているという意味でも考えさせられる作品。 |
No.3 | 4点 | ジェシカが駆け抜けた七年間について- 歌野晶午 | 2022/01/22 23:02 |
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ヒロインのジェシカはエチオピア出身のマラソン選手で、日本人監督・金沢勉のもとで練習に励んでいる。ジェシカはある夜、同僚の女子選手・原田歩が丑の刻参りで金沢を呪っているところを目撃するが、まもなく原田歩は自殺してしまう。
不可能犯罪の面白さ、女子スポーツの友情、努力、感動の物語は保証できる。しかし、このトリックは「葉桜の・・・」のような普遍性に欠ける。ラストは唖然呆然、こんなのありかと脱力。 |
No.2 | 7点 | 密室殺人ゲーム王手飛車取り- 歌野晶午 | 2021/01/11 20:11 |
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インターネットで殺人推理ゲームを出題し合っている五人。それぞれマスクをしたり、画面をぼやかしたりして正体を明かさず、映像と音声でやり取りしながら、推理合戦に白熱していた。密室、アリバイ崩し、犯人当て。ただし話題になっているのは全て確実に起こった事件であり、その実行犯は五人の中の出題者。探偵推理ゲームのために殺人を次々に犯しているという奇抜な設定。ただ作者は、単なる推理ゲームの羅列で終わらせていない。意表をつく展開とともに、巧妙に仕組まれた恐ろしい結末を用意している。 |
No.1 | 7点 | 葉桜の季節に君を想うということ- 歌野晶午 | 2020/10/30 20:15 |
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読者が陥るであろう錯誤を想定してメイントリックが策定されている。トリックの作りとともに、見えない人に気づかされたという目から鱗が落ちるような読後の感触が心地良い。
しかし、関係のない事件が挿入されているのは思わせぶりで中途半端な気がした。 |