皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
◇・・さん |
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平均点: 6.04点 | 書評数: 206件 |
No.4 | 7点 | わが目の悪魔- ルース・レンデル | 2025/08/16 21:45 |
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ロンドン市西北の一画の独身下宿に住む同性の二人の男。同性ながら似ても似つかぬ二人。
この二人が同姓ゆえの郵便物の取り違えをきっかけとするトラブルに巻き込まれる過程を交互に描く着想がうまい。しかも、一方が相手に抱く疑心暗鬼を片方は知らず、その些細な日常生活の行き違いが恐ろしい破局へと徐々に発展する面白さ。これぞサスペンスの醍醐味。この原タイトルの邦訳は予告では「わが目には悪魔と見えて」だったらしいが、この方がいいのになぜ変更されたのかが疑問。 |
No.3 | 5点 | シミソラ- ルース・レンデル | 2022/12/19 18:50 |
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ネタバレあり
一見信頼できそうもない目撃証人を登場させたことで、より意外な効果を狙っている。高齢者が自分の目撃した光景をそのまま証言しても、警察がそれを額面通り信用することはないと見越したうえでのアリバイトリックは、現実の犯罪だとするとかなり危うい綱渡りと言わざるを得ないが、本格における決まり事の裏の裏をかいたトリックとしては見事と評するべきだろう。 |
No.2 | 7点 | ロウフィールド館の惨劇- ルース・レンデル | 2020/05/03 19:03 |
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最初から犯人と動機を明らかにしたうえで「なぜ」を説明してゆく。
心理スリラーは当時としては新鮮だった。だがそれだけではく、著者の描くダークな心理劇の絶妙さに病みつきになる。文章は簡潔だが卓越した人物描写は文芸書のよう。 |
No.1 | 4点 | 運命のチェスボード- ルース・レンデル | 2020/03/02 18:17 |
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思わせぶりな書き出しから、どうやら殺人が起こったらしいというサスペンスだけで引っ張っていく。人間が描けていても事件が抜けているというか、真相はあっても謎はないという感じ。ウェクスフォードもやたら高圧的なだけだし。 |