皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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もち吉さん |
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平均点: 7.00点 | 書評数: 17件 |
No.2 | 3点 | 蒲生邸事件- 宮部みゆき | 2019/07/31 19:32 |
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ストーリーを作るのはうまいけど文章はうまくないなぁというのを改めて感じてしまった一作だった。
序盤はかなり退屈したが、特に「~~だけれど。」の言い回しの異様な多さには辟易した。1ページに1回は出てくるんじゃないか? いつものことながら会話や心情表現の文章がどうもしっくりこない。結構現代風な俗な文章を書きたがるが本来そういうのは苦手な作家なのではないだろうか?そういう意味で文語中心の時代小説に定評があるのは頷ける。そっちのほうが向いているのだと思う。 あとは、主人公の感情をいちいち書きすぎるのも冗長に感じる要因のひとつだろう。 ほとんど全ての登場人物に人間臭さというか所帯じみた感じを受けるのは良し悪しだろうが、自分としてはあまり好みではない。凡人は現実世界で見飽きているしわざわざ小説でまで凡人を見たいとは思わない。 出来事の非日常だけではなく、人間性についてもある程度の浮世離れは必要だと思うな、個人的には。 |
No.1 | 4点 | クロスファイア- 宮部みゆき | 2019/07/11 08:14 |
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楽しめたかどうか?で評価するとこの点数だが、決してそこまで悪い作品と思っているわけではない。好みの話だ。
女性作家にありがちな、人間の感情の機微まで事細かに逃さず描いていくスタイルというのが、自分はどうも苦手だ。ファンタジーにリアリティは求めない。人間の醜い部分は必要以上に見たくない。これは完全に好みの問題だろう。 唯一明らかな難点を挙げるならば、「組織」がいかにも少年漫画にでも出てきそうな安っぽい感じがしてしまったことだろうか。「組織」が絡んでくるまでは結構面白かったのに・・・。最初のコンタクトが電話というのも安易だし、行動や思考もありきたりでこれは大減点。 あと、「痩せぎすの男」という表現を2人の別人に対して使っているのも、自分的にはどうかな?と思う。仮に全く同じような容姿の人間だったとしても、特に重要な意味がない限り小説的には同じフレーズを当てはめるべきではないと思うのだが。 |