海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

take5さん
平均点: 6.61点 書評数: 391件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.10 8点 サクラ咲く- 辻村深月 2025/08/03 20:37
表題作を含む3つの作品が、
少しずつリンクする短編集。

『約束の場所、約束の時間』
中2が主人公で、初掲載は
進研ゼミ中学二年生講座で、
『サクラ咲く』
中1が主人公で、初掲載は
翌年の進研ゼミ中一講座で、
『世界で一番美しい宝石』
高校生が主人公で、又翌年
雑誌に掲載されたものです。

この順番で発表されて、この
順番で収録された事が大切。
主人公は各々が戦っています。
その戦いを美しいと思います。

私に辻村作品が刺さる理由が
本作品ではっきりしました。
後書きのあさのあつこさんが
簡潔明瞭に解説しています。

(以下引用)
だから、驚愕するのだ。
辻村深月という作家の闘争に。
人の生の根本にある死と謎と
哀しみと不条理、そして、希望を
見詰め続け、刻み続ける膂力は
逞しく、眩しい。
(引用終わり)

表題作のミステリー、手紙の
主は誰だろうと、誰かを求め
誰かとつながっていく静かな
歩みに心揺さぶられました。

No.9 7点 家族シアター- 辻村深月 2025/07/20 13:47
家族にまつわる短編集全7編
琴線に触れた順番に、
「1992年の秋空」
「孫と誕生会」
「タマシイム・マシンの永遠」
それぞれの作品が、
姉妹
祖父と孫
夫婦幼子父母祖父母
それぞれの葛藤を鮮やかに
ラスト爽やかに描いていて
改めて辻村深月さんは
素敵な作品を書くなと思います。
余談ですが、
御本人の藤子・F・不二雄愛を
最後の作品の登場人物を通して
強く感じます。分かるな〜

No.8 6点 ふちなしのかがみ- 辻村深月 2025/02/09 12:20
辻村深月作品が好きです。
これはホラーミステリー、
短編5篇で構成されます。
八月の天変地異←最終話が
最も好みでしたが、すべて
SF(少し不思議)テイスト
最近の作品にも通じます。

No.7 9点 この夏の星を見る- 辻村深月 2023/12/03 15:34
小説として10点
ミステリーとして4点
その他の要素の最頻値として9点

Surges がBGMで流れてくる。
『コロナ禍』などと
私のような大人が一括りにしたら
決して見えない世界がある十代の一年間。
辻村深月さんが好きです。
これまでの作品で
一番ミステリーから遠く
一番琴線に触れました。

No.6 8点 傲慢と善良- 辻村深月 2023/07/21 17:36
辻村深月さんが好きです。
筆力の高さは周知の事ですが、
結婚にまつわる双方の人間描写が深く、
読んでいてつらくなるほど。
男性側の第1章がミステリーとして8点、
女性側の第2章が再生の物語として7点、
私には平均で7.5点です。
タイトルの傲慢と善良が、
人間には見事に両方
備わっていることを表していて
なるほどなあと思いました。
小野里(大先生)が文中で言うように、
ジェーン・オースティン
『高慢と偏見』のオマージュなのですが、
ただのくっ付けババアではない凄みが
また印象的でした。

No.5 8点 かがみの孤城- 辻村深月 2022/10/26 02:56
ミステリーとして
登場人物の幾人かのWho
みんなの集まったWhy、When など、
分かりやすいものもありますが、
小説としての力が強いので
このサイトを備忘録としても使わせて頂いている私には
これ以上低い点数はつけられないです。

自戒の念を込めて記すのですが、
子をもつ者として子に関わる者として、
これを読んで伏線の回収にカタルシスを得る
だけではいけないと思うのです。
自戒の念なので声高に訴える気はないですが、
誤解を恐れずに、
中高生にお勧めの書評をよく見ますが、
むしろ大人にお勧めします。
辻村さんは子どもの心を素直に書ける
稀有な作家さんと思っております。

因みに後から調べたらマンガ(ジャンプ系)も、
今冬映画も!あるようですが、
小説として読めてよかったと
辻村深月さんの文章にふれて思うのです。

No.4 7点 朝が来る- 辻村深月 2020/09/22 22:43
ほぼミステリーではないですね。
自分の備忘録として書かせて頂きます。
辻村さんは相変わらず読ませます。
二児の父親として、改めて子育てについて
考えさせられました。
主人公が章で交代して、最後に交わるのですが、
途中の叙述で一瞬夫婦が恐ろしい事を---
と思ったので、ここだけミステリーです。

No.3 6点 太陽の坐る場所- 辻村深月 2020/06/07 23:49
辻村深月さんの作品は、
登場人物が自意識過剰で、
読者も身に積まされるんですよね。
学生時代!って感じが男にも分かります。
作中に古事記やティファニーで朝食をが出てきて、
作者の山梨県でしたか、その頃影響を受けたものが
てんこ盛りなのかと想像します。
はじめの里見さんが伏線になっているところ、
ミステリーといえばミステリーですが、
まあ文学の側面が強いです。

No.2 7点 水底フェスタ- 辻村深月 2020/03/27 02:03
辻村深月さんは読ませます、
私の中では文章の上手な方の先鋒です。
子どもが寝たら風呂で読むのですが、
いつもうとうとしてしまって、
しかしこの作品はうとうとを越えて
中盤から加速、一度に読めました。深夜2時読了。
恋愛慣れしていない青年の話と、
閉鎖的社会の二重構造。
何が本当か青年目線で語られるので、
余計分かりにくくなっていてよいです。
血液型のくだりだけ安直だなぁと。
それがなければ8点です。

No.1 7点 凍りのくじら- 辻村深月 2020/02/04 22:17
先達書評の皆さん厳しいですね。
広義のミステリーSFで良いのではないでしょうか。
少し不思議(SF)であるばかりでなく、
人間の物の捉え方を解きほぐすのは、
ミステリーの解答のような物でしょう。
私は登場人物に少しSukoshi清閑さFreshnessを感じました。
ドラえもんは偉大な漫画です。

キーワードから探す
take5さん
ひとこと
古今東西ミステリーは沢山ありますが、
すばらしい古典に出会った時、
人間が描かれている作品に出会った時に、
ああ読んでよかったと思います。
そういう作品に一つでも出会えればと、
このページを覗...
好きな作家
決められません
採点傾向
平均点: 6.61点   採点数: 391件
採点の多い作家(TOP10)
東野圭吾(31)
ジェフリー・ディーヴァー(20)
連城三紀彦(15)
寺地はるな(14)
薬丸岳(13)
道尾秀介(12)
大沢在昌(12)
辻村深月(10)
近藤史恵(10)
今野敏(9)