皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
take5さん |
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平均点: 6.58点 | 書評数: 361件 |
No.361 | 6点 | ウォッチメイカーの罠- ジェフリー・ディーヴァー | 2025/06/30 21:15 |
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いつもながらリーダビリティは高いです
ちがうのは敵役の心理と行動がはっきり オープンなことで、どんでん返しを損な うもとになってしまいました。これまで の宿敵が消えて、次作は女性Xがそのや くをするのでしょうか。著者75歳を過 ぎ、ここからかつてのワクワクは、かな り厳しいかなと。少し淋しく感じました 。 |
No.360 | 8点 | 赤い指- 東野圭吾 | 2025/06/30 09:01 |
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そういえば書評していなかったとい
う本の一つ。装幀の印象が強く残っ ていて、2006版はレタリングも いい感じに合っています。勿論内容 があってこそなのですが、人は人の あたまの中は覗けないから、あなど ったり不信感を抱いたりする、従っ て、結果的に誘導されている。そう いった作品の最右翼です。東野氏は まず容疑者か白夜?いや私はこれを すすめます。社会派として秀逸だし 。 |
No.359 | 6点 | 逆転美人- 藤崎翔 | 2025/06/29 16:02 |
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たくさんの方が書かれていますが
ていの良い二番煎じという反論も よ見してわざとでしょう。ヨガ師 みたいなあの表紙の。内容はその 書物よりもトリックの必然性高く 評価できます。解答編の多弁とて も優しいですが、本編最後の角は 先出し過ぎですね。答えにほとん どなっています。紙媒体の矜持誇 りを逆手に取る他の作品、例えば あの透き通った物語などもやっぱ り賛否分かれるのでしょう。僕は まあまあ気に入っています。なお すマホ書評は常に縦読み対応です なぜなら画面に入らないからです 。 |
No.358 | 7点 | 普通の子- 朝比奈あすか | 2025/06/22 12:59 |
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息子はなぜ学校のベランダから飛び降りたのか?
主人公である母親美保の目を通して語られる景色 それが次第に他の情報から反転していく心理小説 自身の幼少期の思い出が絡み、結果は予想通りで しかし誰もがどこかで身につまされるバイアス話 300ページ足らずで読後感良くないが一気読み |
No.357 | 7点 | 明日の雨は。- 伊岡瞬 | 2025/06/15 16:26 |
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私、教育関係当事者なので細かいディテールは
おやと思うところもありますが、差し引いても 主人公の葛藤や子どもたちの心理描写は楽しめ 且つなるほどと思うところもありました。視点 それは親と子ら、同僚と主人公で多分に変わり そこが本作をミステリーとする点でもあります。 他の方の書評から手に取った作品で、作者初読 これから機会があれば、他の作品も試します。 |
No.356 | 8点 | 白夜行- 東野圭吾 | 2025/06/10 00:16 |
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もう10年以上前に読んだのですが
しょ評を忘れていたので今更書くの も何ですが書きます。別の挑戦込み。 この作品の胆は心理描写の関節表現 ことに二人の共依存の強さを本人達 が語らずに悟らせるところです。 ただ、最後の方に重要な台詞があっ て、雪穂について亮司がいう台詞を よみますと、「その後ろ姿は白い影に みえた。彼女は一度も振返らなかった。」 だそう。これまで雪穂を照らしてきた とう事者が死をむかえても、白い影 を失わず、他の誰か、または雪穂が もつ地位美貌財産などで照らし暮ら していくという比喩になっています ろんより証拠、雪穂自身も同じ様に いってます。 「あたしの上には太陽 なんかなかった。いつも夜。でも暗く はなかった。太陽に代わるものがあったから。」 はい、太陽ほど明るくはないけれどと はっきり言ってます。それであたしに は十分だったそう。ここに男女の差 は見られますね。大変興味深いです ! |
No.355 | 8点 | サウスバウンド- 奥田英朗 | 2025/06/08 16:13 |
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作者の作品は、伊良部シリーズも好きですが、
こちらも読み応え十分で、大変満足しました。 まず主人公含む4人の家族が大変魅力的です。 途中までの破天荒で、過去の傷が癒えない感じ それが第二部に入り、お互いが八重山の自然に 潔いほどあらわれて行く様が見事でした。他の 脇役も良い味を出したいます。本作のテーマが 政治・経済に翻弄される少数の声なき声に光を 当てる処にあるとすれば、私にはどストライク 650ページラストを飾る島の放送がググッと 心に刺さりました。全ての方にお勧めできます |
No.354 | 4点 | 口に関するアンケート- 背筋 | 2025/06/07 12:05 |
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まずびっくりするほど小さな本
そしてとんでもなく薄い50P 複数の告白から構成される内容 最後のアンケートで作中作判明 内容に見合う費用対効果感じず 550円は質量あたり高額すぎ 印字のグラデも効果に甚だ疑問 作者名背筋は音訓どちら読み? 狙っていて最大のミステリです |
No.353 | 7点 | 全員犯人、だけど被害者、しかも探偵- 下村敦史 | 2025/05/31 20:32 |
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多重解決ミステリーを、さらに捻った努力作。
タイトルから想像する事の一つ上を行く最後。 読む前に300ページしかなく、読み始めて、 途中だれるのですが、最後スピードが増して、 ビックリしているうちに終わりました。さらに ここまでの評価の低さにびっくり。間違いなく 作者は頭が大変切れ、作品はまるで人民協会風 やはりこね過ぎですかね。嫌いじゃないですが。 |
No.352 | 7点 | ロスト・ケア- 葉真中顕 | 2025/05/31 13:49 |
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葉真中顕作品の映えある一つ目
日本ミステリー大賞新人賞受賞 素晴らしい取材から、社会提言 老人介護問題を構造上の欠陥と 日本的先送り主義を突きつける まさに思考の反転を促す作品。 ミステリー要素は人物の思考が 反転する以外は、人称のずらし ちょっぴりしかありませんが、 しかしこれは後のBlueや鼓動に 確かに繋がる作品です。高品質。 |
No.351 | 7点 | シリウスの道- 藤原伊織 | 2025/05/25 12:04 |
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皆様の高評価作品を読んでみました。
広告代理店に勤める主人公の辰村が、 生き馬の目を抜く世界を生きていく、 時代を感じるハードボイルド社会派。 辰村の傍の人物が、過去も現在も共に 魅力的なので一気に読めました。最後 辰村がシリウスをあえて見上げない処 そこが大変ハードボイルドでよいです。 |
No.350 | 7点 | 法廷占拠 爆弾2- 呉勝浩 | 2025/05/19 10:33 |
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前作の評価と今作の評価で、
世間は今作、私は前作です。 相変わらずタゴサクの心理を 会話で描写する作者の力量! ページの費用対効果も高く、 名作だと思います。ただ終盤 実は実はと少し慌ただしく、 前作同様+60ページあれば 説得力が増したかな←結果論 次回のタゴサクに期待します。 |
No.349 | 6点 | 黒石 新宿鮫Ⅻ- 大沢在昌 | 2025/05/17 11:38 |
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現在発行されている作品のラストまで
ようやくたどり着きました。第12弾 鮫島の相棒と上司の立ち位置が定まり これからも続きそうではありますが、 やはり第1弾からの流れを振り返ると ピークは去ったと言わざるを得ない… 犯人側のありきたりなカットバック… ささるのは城東地区の描写、私見です。 次回作でありそうを、想像してみます。 ここでもう一段階上げるなら、例えば 阿坂の過去と絡めた事件、最後の手段 鮫島の抱く秘密を隠しきれなくなって 内部対立を起こすとか、藪がどうにか なってしまうか、その辺でしょうかね。 もう一山盛り上げてほしいのですが…… |
No.348 | 7点 | 暗約領域 新宿鮫XI- 大沢在昌 | 2025/05/11 12:23 |
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10弾⇒5弾⇒本作第11弾の順で読みました。
桃井亡き後の作品、実に8年ぶりだそうですが、 描写がようやく令和に近づきました。民泊問題や 北朝鮮との拉致を巡る政治交渉が事件の元です。 シリーズで初めて、700ページの中盤で長いなと 感じるところがありました。会話の遣り取りから 物語は進みますがそこがくどい所がありました。 また、これまでの作品同様に、終わり方によって 次回以降を予見するなら、仙田に変わる相手誕生 (はっきりした)感じです。さあ第12弾です。 |
No.347 | 7点 | 炎蛹 新宿鮫V- 大沢在昌 | 2025/05/10 16:42 |
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シリーズ第5弾、遅くなりましたが手元に。
カンチャンを引いて、さっそく読みました。 カットバックで3つの事件のうちの1つを 犯人の人称でえがく為、章の進みが速い事。 外国人抗争、時限放火、娼婦殺人が重なり、 最後にうまく繋がるのがいつもながら流石。 それにしても作者は新宿について、社会学者 といえるほどの理解があると思うのですが、 実地の取材が深いのでしょうか?もしかして ノンフィクションを書いてもよいのではと。 |
No.346 | 9点 | 絆回廊 新宿鮫Ⅹ- 大沢在昌 | 2025/05/06 18:22 |
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ずっと続くと、どこかで願っていたことが、
失われてから、やはり幻だったと思い知る。 皆様、飛び石GWは今日を持って終わります。 鮫島と周囲の関係だって同様に変わります。 変わることを受け止め、それでもやはり進む 歯を食いしばりながら進む。そう感じさせて くれる、シリーズ第10弾です。第1弾から 実に20年経つそうで、その間に時代背景も 変わり、鮫島の周囲も変わる。しかし唯一、 変わらないものがあるなら、それは主人公の 生き様でしょう。そういう意味では、相手役 梶原の生き様もまた変わらない、変われない その象徴として効いています。更に作者が、 今回ネットのほぼ日に毎週原稿をあげた事も 変わらないものと変わるものの象徴として、 チャレンジされているのかなと感じました。 固定ファンのみに刺さる作品でなくて、広く 世の中に伝わってほしいのだと感じました。 第1弾からここまで来たのだという感慨が。 全く違う畑から持ってくると思い浮かぶのが スラムダンクの最初、ヒロインとの絡みから やがて流川との関係性に物語が移行していく 同時に絵も洗練されていく様なんですよね。 |
No.345 | 8点 | 狼花 新宿鮫IX- 大沢在昌 | 2025/05/06 10:41 |
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新宿鮫シリーズの本編第9弾、名作。
これまでの白眉ですね。登場人物同士 会話を通してパワーバランスが揺れる その様に作者の筆力をこれまでで一番 感じました。例えば香田と鮫島よりも 毛利と深見、そして香田と毛利(石崎) お互い相手を制しようとしながらも、 会話を通して状況を捉え直していく様 が、臨場感を生み出しています。 ここまで5弾をのぞいた中で一番という 私見ですが、斎藤警部さんの直近書評で 5弾も!と図書館の予約をし直しました。 |
No.344 | 7点 | 灰夜 新宿鮫VII- 大沢在昌 | 2025/05/04 17:44 |
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シリーズ第7弾、灰夜の意味が分からず。
鮫島1人九州に赴き、遭遇する麻薬また 新ココム関連の問題に、最後は大爆破! 冒頭から拉致られ、カットバックにより 物語は進行。読みやすさは凄まじい限り。 登場人物其々の思惑が複雑絡み合うため 一気にスッキリささるにはやはり大爆破! |
No.343 | 7点 | 氷舞 新宿鮫VI- 大沢在昌 | 2025/05/04 11:01 |
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シリーズ第6弾。第5弾が見つからず
先に第6弾を読むことになりました。 公安や政治家CIA絡みの事件が起きて 晶ではないハーフの女性を絡ませる筋 いかにも男性の男性による男性の為の エンタメ、ハードボイルドでした。 でも面白いんですけどね。終わり方が 次回鮫島と晶がどうなる!?という、 引っ張り方で、でも読むんですけどね。 |
No.342 | 7点 | 無間人形 新宿鮫IV- 大沢在昌 | 2025/05/03 16:19 |
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シリーズ第四弾。後に知りましたが、
直木賞受賞作品。確かに読ませます。 90年代の覚醒剤の蔓延を描く中で、 地方財界のインシュラリズムが顕著。 映像的にもこれほど分かりやすく且つ 展開もベタなのに読ませる筆力は相当 まだまだシリーズがGWで進みます。 |