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take5さん
平均点: 6.61点 書評数: 391件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.391 7点 みちづれはいても、ひとり- 寺地はるな 2025/08/17 14:21
これまでの寺地はるなさんの作品で
最も混沌としていて収束するか心配
しかしちゃんと女性二人旅が完結し
宏基の謎も解き明かされてめでたし
いやめでたしではなくこれから続く
それぞれの人生を自ら肯定する力を
与えてくれる作品でした、流石です
シズさんにまで寄り添うその表現力!

No.390 7点 大人は泣かないと思っていた- 寺地はるな 2025/08/16 18:46
表題作をはじめとする7篇の連作短編集
登場人物の放つ言葉が私達を励まします

どんな人生もやり直すのに遅くはないが
とらわれたしがらみや当たり前を見つめ
そこから抜け出すもがきは楽でないです
だからこそ登場人物の姿に誰もがハッと
したり、また背中を押されたりするのだ
そう思うのです。最近ミステリーらしさ
からだいぶ離れていますがお許し下さい

No.389 7点 ガラスの海を渡る舟- 寺地はるな 2025/08/16 12:02
前作はワイナリー今作はガラス工房

職人、芸術家いや誰もが生きながら
自分の在り様を模索しているならば
この作品もものの捉え方が反転して
先に進む主人公と共に読者も進める
そんな声高でなく力強い作品でした

No.388 7点 月のぶどう- 寺地はるな 2025/08/15 17:30
ミステリ感はないですが
忘備録登録お許し下さい
ワイナリーでの人間模様
大阪府で可能という驚き
最後挑むデザートワイン
アイスヴァインはカナダ
貴腐ワインなら欧州だが
大阪府なら冷凍なるほど
テロワールへの拘り等は
知識があると楽しめます

No.387 7点 声の在りか- 寺地はるな 2025/08/12 19:06
主人公希和の描写が繊細で
大変素晴らしかったです。
読んでいてハラハラしたし
最後は力をもらえました。
子どもをもつ親なら納得の
描写が多々あるでしょう。

No.386 7点 やわらかい砂のうえ- 寺地はるな 2025/08/10 14:26
人はひとりでは生きていけない、
なんて言うけど、
誰かと手を繋いでいたら
転んでしまう時だってあるんだと知った。
ためらいなく繋いだ手を離せるように、
隣を歩いている人を信じる。
自分の足でしっかり立つ。
そのことを、忘れないでいよう。
(引用終わり)

主人公万智子の早田に対する感じ方が
喜びも痛みも伴って変わっていく様が
反転、反転、また反転と、人生という
ミステリーを体現していて素敵でした

No.385 7点 夜が暗いとはかぎらない- 寺地はるな 2025/08/09 17:36
ショートストーリーそれぞれの主人公が
それぞれ関わりをもっている事を知れど
その見え方は、当たり前だが想像できず

しかし出来事を超えていく中で、次第に
見え方を変えていく力強さが感じられて
その証明が、最終章のあかつきん視点で
成されるというこの構造に感服感謝感涙

No.384 7点 杉森くんを殺すには- 長谷川まりる 2025/08/07 16:57
杉森くんとは、どんな人物なのか
なぜヒロは殺そうとしているのか
ヒロの周りの友達やミトの存在は

読んでいくと次第に各々の世界が
捉え方が現れてくる。と同時に、
私達の捉え方も認知されてくる。

グリーフケアの話ですと一言では
括れない、様々な気付きを与える
大変興味深いYAコーナーの本です
多くの人に知って頂きたいです。

No.383 8点 水を縫う- 寺地はるな 2025/08/06 13:39
作者登録済みで作品は未登録。
寺地はるなさんの小説の中では
限りなくミステリーから遠いと
分かっていますがお許し下さい

水を縫うとは、どういう意味か
6つの作品を読み進めていって
全体像が浮かび上がって初めて
静かな余韻と共に分かりました

気持ちの齟齬を越える人の営み
その厳しさと美しさを感じます

No.382 6点 ぼくらの先生!- はやみねかおる 2025/08/05 16:30
子ども向け≠簡単な子ども騙し
=子どもでも読める真理あり
小学校の先生を定年退職してから10年
思い出の数々を妻に聞かせる主人公が、
妻の推理で当時の真相に気付いていく。

アームチェアディテクティブの作品です。
妻が名推理。マープルのようなものです。
夫の性格を加味して、語られた出来事を、
再構築していく。はやみねさんご自身が、
教員だった事からそれぞれの出来事には、
説得力があります。教員研修推薦図書!?

No.381 6点 花とアリス殺人事件- 乙一 2025/08/05 12:44
20年前に岩井俊二監督の『花とアリス』
10年前に『花とアリス殺人事件』乙一作
今年2025年に小説として読んでいます

花とアリス二人が不思議な雰囲気のままに
穴開きしユダのミステリーを解いていく話

刑事と作家の離婚も何もかも成る様に成る
何処か達観した、力の抜けた小説でした。

No.380 8点 サクラ咲く- 辻村深月 2025/08/03 20:37
表題作を含む3つの作品が、
少しずつリンクする短編集。

『約束の場所、約束の時間』
中2が主人公で、初掲載は
進研ゼミ中学二年生講座で、
『サクラ咲く』
中1が主人公で、初掲載は
翌年の進研ゼミ中一講座で、
『世界で一番美しい宝石』
高校生が主人公で、又翌年
雑誌に掲載されたものです。

この順番で発表されて、この
順番で収録された事が大切。
主人公は各々が戦っています。
その戦いを美しいと思います。

私に辻村作品が刺さる理由が
本作品ではっきりしました。
後書きのあさのあつこさんが
簡潔明瞭に解説しています。

(以下引用)
だから、驚愕するのだ。
辻村深月という作家の闘争に。
人の生の根本にある死と謎と
哀しみと不条理、そして、希望を
見詰め続け、刻み続ける膂力は
逞しく、眩しい。
(引用終わり)

表題作のミステリー、手紙の
主は誰だろうと、誰かを求め
誰かとつながっていく静かな
歩みに心揺さぶられました。

No.379 7点 図書館戦争- 有川浩 2025/08/03 06:00
スティーブン・キングのホラーに
図書館警察というものがある様で
書評で本作品に触れられています

最近有川浩さんの阪急電車を読み
こちらにも久しぶりに触れました

主人公のナイトと鬼教官の関係が
最後まで本人に明かされないのが
よいです。爽やかな読書体験です

No.378 5点 そして五人がいなくなる- はやみねかおる 2025/08/01 10:20
ジュブナイル、夢水シリーズ第一弾
名探偵と三つ子の紹介から始まり、
最後は三つ子の伏線回収で終わる、
夏休みにぴったりのテーマも良い。
200ページですが1時間足らずで
読める、ミステリー導入本でした。
作者のミステリー愛が感じられます。

No.377 6点 それは令和のことでした、 - 歌野晶午 2025/07/31 11:31
葉桜など、作者が叙述に凝る作品と比べれば、
それは小粒な短編集ですが、まあ叙述の反転を
楽しもうと思えば楽しめるかなと。出来事が、
令和を象徴する事かというと首を傾げますが、
まあ東雲や辰巳の描写はそうかなと納得です。

No.376 9点 蜜蜂と遠雷- 恩田陸 2025/07/30 09:42
久しぶりに身体に染み入る読書体験でした。

若手ピアノコンクールを舞台に、人間の才能
運命、そして音楽とは何なのかを描き切る、
帯に作者渾身の最高傑作とあります。看板に
偽りなし。最高傑作だと思います。私には。

塵、明石、亜夜、マサル、それぞれの音楽が
あり、またそれぞれの葛藤そして関わりの中
大きな変化進化がある。私が改めて思うのは
音楽のもつ力もそうですが、それを描き出す
小説の力です。小説ならシベリウスも描ける
バルトークも描ける、「春と修羅」も描ける
頭で鳴らせるんですよね。読者各々の音楽が
鳴らせる小説の力。ミステリーでないから、
登録されてはいても書評がないのでしょう。
しかし、ここに登録してくださった方には、
心より感謝申し上げます。
有難う御座います。


No.375 7点 かもめのジョナサン- リチャード・バック 2025/07/28 15:32
なぜ人は形あるものを求めるとき、
その本質から離れていくのだろう。

そのことを認知した刹那、そこに又
ジョナサンが現れる最終章。実は、
その第四章が、バックによって後に
書き足された章だというところが、
また「では本来は」と、ミステリー
なんですよね。いやあこれは考える。

No.374 7点 スティグマータ- 近藤史恵 2025/07/27 12:20
サクリファイスシリーズ第5弾、
発行されている中では最新作品。

変化球を挟んで、チカのツールが
ツール・ド・フランスが戻った。

一作目の感じに戻り、選手の心理
ミステリとしてよく出来ていた。

チカも年齢があるし、シリーズも
あと一作くらいかなと思います。

実際のツールもフィナーレです。

No.373 6点 キアズマ- 近藤史恵 2025/07/26 14:56
サクリファイスシリーズ第4弾
舞台はかわり大学の自転車部へ

弱ペのテイストが入っている?
各々の若人が葛藤し、それを又
越えようともがく姿と自転車が
よく合っていてよいです。だが
サクリファイスからはひたすら
離れていきます。2時間で読了

No.372 6点 サヴァイヴ- 近藤史恵 2025/07/26 12:06
サクリファイスシリーズ第3弾。
チカや赤城のエピソード集です。
特に「プロトンの中の孤独」が
好きです。石尾の最後の台詞に
ぐっと来ますが嗜好が私考すぎ。
パリ・ルーベのパヴェの描写が
また良いんです。因みに現在は
2025ツール・ド・フランス
真っ只中で、最強ポガチャルも
心の中では色々あるのかと想像
それもまた楽しいです。進行形

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take5さん
ひとこと
古今東西ミステリーは沢山ありますが、
すばらしい古典に出会った時、
人間が描かれている作品に出会った時に、
ああ読んでよかったと思います。
そういう作品に一つでも出会えればと、
このページを覗...
好きな作家
決められません
採点傾向
平均点: 6.61点   採点数: 391件
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