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take5さん
平均点: 6.60点 書評数: 408件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.408 6点 その可能性はすでに考えた- 井上真偽 2025/11/09 12:30
悪魔の証明+多重解決もの。
新興信仰団体+多重解決は、
毒入りや、タイプは違えど
名探偵のいけにえが最高級。
作者の賢さやミステリ愛は
感じます。だがなんだろう?
重箱の隅をつつく感が強い。
私考すみません。嗜好です。
最後の結末、救済に落ち着く
そこだけはドラマなのだが…

No.407 3点 フォトミステリー ―PHOTO・MYSTERY―- 道尾秀介 2025/11/08 17:43
道尾秀介作品は総じて好きですが、
本作はあまりにも練られていないと
思ってしまいました。毒も弱いし、
ショートショートの手練も感じず、
写真が先にあって無理矢理の合わせ
理解はしても唸らずばかり続いて、
こんなに刺さらないのも初めてで、
残念無念です。私見ですみません。
星新一を読んで口直ししようかと。

No.406 6点 探偵が早すぎる - 井上真偽 2025/11/03 21:38
図書館のY.Aコーナーで見つけました。
文庫本の上下巻のうち、上巻を読了し、
いよいよ49日で対決か?という段階。
殺させない探偵という設定が新鮮です。
忘備録として一度点数つけておきます。

こういう作品に高得点をつけることを、
そもそも躊躇される方もいそうですが、
人並さんの評価がまさに言い得て妙で、
キャラが立っていて、軽い文体がよい方
薄っぺらくなくよい方へはたらいていて
下巻も楽しめそうです。さてさて・・・


追記
上巻に輪をかけて早く読み終わりました。
探偵も読了も早すぎて、論理も何もなく
評価を1点下げ、真偽他作品へ進みます。

No.405 6点 コメンテーター- 奥田英朗 2025/11/03 12:37
伊良部シリーズの最新刊らしいです。

コロナ禍を歴て人間関係に悩む人々、
そこに関わる精神科医伊良部が視点を
まさに視点を変えて生き方を自ら導く
そんな手助けをする、荒唐無稽を装い
実は至極真っ当な論理で治療する姿は
文体で反転させるミステリーではなく
思考の反転を促すタイプのミステリー
深みはなくエンターテイメントよりを
装って、作中人物のように気楽になり
案外楽しめる人も多いのではないかと。

No.404 6点 きこえる- 道尾秀介 2025/11/02 18:15
人の情報収集は映像が大半と思っていましたが、
一つ前の読書で、音声こそ影響大なのだと知り、
たまたま次なる予約本が『きこえる』との偶然。

道尾作品は、叙述のどんでん返しが好きなので、
最近の意欲的な映像や音声の活用作品は、正直、
イマイチ好きではありません。食わず嫌いでは
いけませんので読んでいますが、やはりまだ……

最終話の前後にあるQRコードは、二つの違いから
作品の真相を露わにするところが興味深いですが
それも昔の名作ならば、現場検証や証言の取材で
時制の整理が成されて解決に至りそうなものです。
仏さんがいつ死んだかを映像でばらすのは単なる
ホラーだなと思ってしまいました。びっくり映像。

No.403 7点 作り方を作る- 佐藤雅彦 2025/11/01 20:14
古くは湖池屋スコーンやポリンキーを
やがて団子3兄弟を歴てピタゴラも。
テキシコー、0655、2355まで
刺さるものが生み出され続ける理由が
私はミステリーでしかなかったのです。

そうか、新しい物を作るのではなくて、
作り方が新しいから作品が新しいのだ。
そのロジックのエッセンスを垣間見る
思考の認知がいかに大切なのかを知る
そんな謎がスッキリする良書でした。

No.402 6点 死んだ山田と教室- 金子玲介 2025/11/01 19:58
楽しめました。設定はトンデモですが、
設定に則る展開は破綻なく進みますし、
最後の死をめぐる捉えの反転へと結実。

男子の学力と発言の整合性に疑問符と、
最後の反転後の終わり方にもう一押しを
求める私がいます。が、楽しめました。

No.401 8点 問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい- 早見和真 2025/10/27 13:25
東京の中学受験を通していくつもの
家族の有り様を描いた数年間の物語。

かつて受験当事者だった私に主人公
そして主人公の父や母の姿がリアル。

しかしこの物語の本質は、いつか来る
物事の捉え方が反転する時は、逆説的
ではあるが、もがいている時間こそが
必要なんだということです。よくいう
セレンディピティは決して偶然でない
ということです。

中盤から次第に明らかになる、十和の
拠り所となる人物も只のフーダニット
ではなく、作品名につながる長い長い
伏線回収の一部分なことに感嘆します。

小学生、その親、かつて親だった祖母
全ての人の気持ちを隔てなく書き切る
早見和真さんの筆力に脱帽します。

※『店長が〜』と一部リンクしています

No.400 7点 逆ソクラテス- 伊坂幸太郎 2025/10/26 15:33
伊坂幸太郎は他によい作品がありますが
私は本作を、同様に好ましいと思います。
伏線の回収が甘いとかご都合主義だとか
ミステリー書評サイトではイマイチだと
思われる方もいるのでしょうね。しかし
力強く「僕は、そうは、思いません」。

通常ニヒルなユーモアを感じる文章な処
本作は素直で熱くて別の魅力があります。
また、多くの人に勧めたいと思う作品は
AXやゴールデンスランバーもよいですが
例えば息子には、これを進めるでしょう。

文庫の後書きからも、10年越しの思いが
よく伝わってきました。充実の300頁☆

No.399 7点 双頭の悪魔- 有栖川有栖 2025/10/19 17:34
名作と誉れ高い本作品です。
文庫およそ700ページ大作。
ほぼほぼ1日で読み切った
そんな自分偉い!故に+1点

令和にない懐かしの世界観。
流された橋の双方が孤島化。
双方での殺人を双方で推理。
アリス・マリア相互に描かれ
カットバックで進む途中には
挑戦状が3回。私解けず残念。

双頭なら悪魔の体は一つな訳で
収束する様はまあ見事ですが、
そもそも〇〇殺人って非現実的。
それを〇〇デュ〇〇するのも、
もっとキャラのたったカリスマ
でないと成立しないのではと。
すみません私見です。とにかく、
原稿用紙1000枚の熱量は凄い。

No.398 6点 本と鍵の季節- 米澤穂信 2025/10/12 12:20
読書の秋に、図書委員会の話を。
高校生らしくないところもまあ、
許容範囲の短編集です。米澤氏は
他にも名作がたくさんあります。
これは好みではあまり上位でない
ですが、最後2話はよかったです。

No.397 7点 しゃぼん玉- 乃南アサ 2025/09/07 15:10
贖罪をテーマとする人間ドラマの名作。
犯罪を犯す心理描写から、やがて自己を
見つめるようになるまでの軌跡を描く。
過疎地域の問題、親子問題、厳しい描写
その中にあって、人はやり直せるのかを
温かい目線で乃南アサ氏は描きました。

No.396 7点 クララとお日さま- カズオ・イシグロ 2025/09/06 14:18
AIをめぐる世界がどの様に進むか。
近未来をえがくカズオ・イシグロの
ノーベル賞後の作品。寄り添い型の
ロボットが知性を持つ時その存在が
人と同等になり得るかという哲学的
問いを突きつけられる。しかしまた
太陽信仰を思わせる敬虔なクララの
立ち振る舞いから科学と哲学が反目
するものではないと感じるのも事実。

そんな事を燦々と降り注ぐ日光の下
読み終えて今思うのでした。良書!

No.395 6点 - 道尾秀介 2025/08/31 14:22
懐かしい少年時代の物の見え方
子ども時代故に迫る謎の数々は
真祖を知る度に少しずつ大人に
近づくのでしょうか。夏休みの
終わりに、切なく感じました。

No.394 7点 ビオレタ- 寺地はるな 2025/08/30 17:25
婚約者から突然別れを告げられた田中妙は、
道端で大泣きしていたところを拾ってくれた
菫さんが営む雑貨屋「ビオレタ」で働くこと
になる。そこは「棺桶」なる美しい箱を売る、
少々風変わりな店。何事にも自信を持てなか
った妙だが、ビオレタでの出会いを通し、少
しずつ変わりはじめる。人生を自分の足で歩
くことの豊かさをユーモラスに描き出す、心
のすきまにしみこむ温かな物語。

以上ポプラ社ホームページより

ちょうど10年前に新人賞を受賞してデビュー
した寺地はるなさんの作品。温かい作品です。

No.393 5点 ホテルローヤル- 桜木紫乃 2025/08/24 15:09
ホテルローヤルの栄枯盛衰?短編集
各話の展開が人生にくたびれている
生ぬるい感じが何とも言えずリアル
時間軸は遡り、最後に始まりを描く
そこがまた哀しみを助長するのです

No.392 7点 ファーストラヴ- 島本理生 2025/08/20 17:37
父親殺害の容疑で逮捕された女子大生
環菜は、アナウンサー志望という経歴
それにより、事件は大きな話題となる。
しかし動機は不明。臨床心理士の由紀
が、その周囲の人々へ取材をするうち
明らかになっていく環菜の過去そして
由紀の過去。ラストは法廷のやり取り。
その判決は?第159回直木賞受賞作。

---引用終了

丹念な取材にやり親子の難しさを描く、
名作だと思います。他作品も探す予定。

No.391 7点 みちづれはいても、ひとり- 寺地はるな 2025/08/17 14:21
これまでの寺地はるなさんの作品で
最も混沌としていて収束するか心配
しかしちゃんと女性二人旅が完結し
宏基の謎も解き明かされてめでたし
いやめでたしではなくこれから続く
それぞれの人生を自ら肯定する力を
与えてくれる作品でした、流石です
シズさんにまで寄り添うその表現力!

No.390 7点 大人は泣かないと思っていた- 寺地はるな 2025/08/16 18:46
表題作をはじめとする7篇の連作短編集
登場人物の放つ言葉が私達を励まします

どんな人生もやり直すのに遅くはないが
とらわれたしがらみや当たり前を見つめ
そこから抜け出すもがきは楽でないです
だからこそ登場人物の姿に誰もがハッと
したり、また背中を押されたりするのだ
そう思うのです。最近ミステリーらしさ
からだいぶ離れていますがお許し下さい

No.389 7点 ガラスの海を渡る舟- 寺地はるな 2025/08/16 12:02
前作はワイナリー今作はガラス工房

職人、芸術家いや誰もが生きながら
自分の在り様を模索しているならば
この作品もものの捉え方が反転して
先に進む主人公と共に読者も進める
そんな声高でなく力強い作品でした

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take5さん
ひとこと
古今東西ミステリーは沢山ありますが、
すばらしい古典に出会った時、
人間が描かれている作品に出会った時に、
ああ読んでよかったと思います。
そういう作品に一つでも出会えればと、
このページを覗...
好きな作家
決められません
採点傾向
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