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kanamoriさん
平均点: 5.89点 書評数: 2460件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.660 5点 三日間の悪夢- 仁木悦子 2010/07/06 18:00
ミステリ短編集(角川文庫版)。
主に70年代に発表された作品6編収録されています。
結婚してママになった悦子もの「ただ一つの物語」はオーソドックスな本格編といえますが、他はどちらかと言えばサスペンス重視で、人間そのものの謎がテーマではないかと思います。

No.659 6点 緋の記憶- 仁木悦子 2010/07/06 17:59
ミステリ連作短編集(講談社文庫版)。
私立探偵・三影潤シリーズは、今では出版芸術社から全三巻に纏められていますが、それまでは本書と角川文庫の「夏の終る日」にまとまって入っているものの、一部は他の作品集に混在しています。
本書は70年代後半に書かれた6編が収録されていて、仁木悦子なりのハードボイルド?が楽しめます。

No.658 6点 灯らない窓- 仁木悦子 2010/07/06 17:59
子供を主人公にしたミステリは著者の独擅場といえますが、多くは短編で書かれていて、ジュヴナイルを除くと、長編では本書しか思い浮かばない。
母親の殺人容疑と父親の冤罪疑惑を絡めたサスペンス風の物語は、小学生男子の視点で綴られるパートが活き活きとしていて、作者の本領発揮と言えます。
小さい妹を連れた小学生探偵はなんともいじらしい。

No.657 6点 夢魔の爪- 仁木悦子 2010/07/05 21:40
ミステリ短編集(角川文庫版)。
三影潤ものの表題作、仁木兄妹ものの「赤い痕」「虹の立つ村」などシリーズものも楽しめたが、編中のベストは「おたね」だろう。
ある不幸な過去を持つ女中の話から意外な事実が浮かび上がる物語は、殺人を描きながらもどこかほんわかしたテイストの他作品と一線を画する名作。

No.656 7点 二つの陰画- 仁木悦子 2010/07/05 21:25
飛びぬけた傑作はないけれど、駄作もない作者の長編の中では、個人的に一番よく出来ていると思った本格編。
檪健介夫婦が自身のアパート内で発生した密室殺人にいどむオーソドックスな集合住宅ものですが、それぞれ秘密を抱えるアパート住民たちの造形とミスリードぶりが冴えています。密室を構成する理由もナルホドーと感心しました。

No.655 6点 殺人配線図- 仁木悦子 2010/07/05 21:13
新聞記者・吉村駿作シリーズの長編ミステリ。
現在の事件から過去の隠された事件が浮かび上がってくる構成は、”日本のクリステイ”と称された作者の面目躍如です。
機械好きの少年が重要な役割を果たすなど、短めの長編ながら、いかにも仁木ミステリという感じをうけた。

No.654 5点 黒いリボン- 仁木悦子 2010/07/05 21:01
仁木兄妹シリーズ第4弾、最後の長編ミステリ。
今作は、誘拐をテーマにしたサスペンス風ミステリで、巧みな伏線の張り具合を楽しむ本格編ではないのが残念。
短めの長編なのでちょっとあっけない。

No.653 6点 刺のある樹- 仁木悦子 2010/07/05 20:54
仁木兄妹シリーズ長編第3弾。
雰囲気は日常の謎テイストながら、実際は殺人事件が必ず発生するのが作者のミステリの特徴。
本書は、最初から依頼人が兄妹のもとに登場するプロットで、従来の巻き込まれ型と趣を変えていますが、最後まで読むとそれも作者の計算のうちと分かる。

No.652 9点 甲賀忍法帖- 山田風太郎 2010/07/05 18:48
徳川三代将軍の座をめぐる甲賀忍者10名VS伊賀忍者10名の代理忍法勝負。
山風忍法帖の第1作だけあって、(忍法帖の中では)オーソドックスな構成ながら、後のシリーズに出てくる同類の奇天烈な忍法アイデアを惜しげもなくつぎ込んだ正に忍法帖の原点。
数えてみると合計20回の忍法合戦を組み込んでいて、いずれも意表をつく決着に終始しています。
また、バトルゲームの面白さに酔わせておいて、最後に忍者の哀切な運命を描いて終える物語の創りも脱帽です。
過去何度も復刊を繰り返す、世代を超えたエンタテイメントの傑作です。

No.651 6点 死だけが私の贈り物- 小泉喜美子 2010/07/05 18:01
著者最後の長編ミステリ。
目次の章題が、第一章の「幻」以下「花嫁」「喪服」「天使」「死者」「暁」となっていて、献辞が捧げられていることもあって、読む前からウールリッチへのオマージュ作品であることは明白です。
物語も「黒衣の花嫁」のプロットを踏襲した、元有名女優の復讐譚を淡々と描きながら、最終章でヒネリを入れています。
いかにも作者らしい洒落た趣向は、主役の元女優をはじめとして、被害者たちと探偵役の若手刑事以外は、主要登場人物の名前が一切表記されていないところでしょうか。

No.650 6点 ウィンブルドン- ラッセル・ブラッドン 2010/07/04 21:57
ウィンブルドン大会男子シングルス決勝を舞台にした変形のデッドリミット・サスペンス。
30年以上前に出版された小説で、後発の作品と比べればサスペンスの技巧に不満もありますが、青春小説、友情物語として楽しめました。
序盤、後にセンターコートでファイナルを戦うことになる二人のテニスプレーヤーの出会いから友情を育む場面、特に亡命した17歳のソ連青年プレーヤーの造形が秀逸で、クライマックスの最終セットの行動に結びつく伏線にもなっています。
一方、犯罪者グループと警察の頭脳戦はサスペンスに欠け、BBC放送の仕掛けたトリックもあまり活きていないので、コンゲーム風のスリリングな展開を期待していただけに、少々不満が残りました。

No.649 6点 剣と薔薇の夏- 戸松淳矩 2010/07/04 18:03
19世紀のニューヨークを舞台に渡米した日本使節団が巻き込まれる事件を描いた歴史ミステリ大作。
当時の米国の情景・風俗をこれでもかというぐらい詳細精緻に書き込んでいて、作者の力の入れ様がよく分かりますが、そちらに重点が置かれた分、ミステリとしての面白味に欠けるきらいがあります。
米国人の新聞記者を主人公格に据えたのも感情移入できなかった要因だと思います。

No.648 4点 名探偵は最終局に謎を解く- 戸松淳矩 2010/07/04 18:03
東京の下町を舞台に高校生探偵団の活躍を描くシリーズ第3作。
前2作は70年代に出たソノラマ文庫の復刊でしたが、本書は当初は別の主人公の作品だったものを、当シリーズものに改変したもののようです。
ミステリ度は薄めで、前2作と比べると出来は落ちますが、下町ものとしては楽しめました。

No.647 5点 名探偵は九回裏に謎を解く- 戸松淳矩 2010/07/04 18:03
東京の下町を舞台に高校生たちの探偵譚を描くシリーズ第2作。
前回の相撲部屋に続き、今回は高校野球を題材にしています。
事件が次々と発生するのは前作同様のパターンで、ホワイダニットを志向していますが、この動機はちょっと無理があるように思います。

No.646 6点 名探偵は千秋楽に謎を解く- 戸松淳矩 2010/07/04 18:03
浅草近辺の下町を舞台にした中高校生向けの本格ミステリ。
いかにも古き良き時代のジュヴナイルという感じで、下町情緒が心地よい。
内容自体は、次々と事件が発生する形式がちょっと整理不足の感じを受けましたが、それが持ち味かもしれません。

No.645 6点 手焼き煎餅の密室- 谷原秋桜子 2010/07/04 17:13
激アルバイター・美波シリーズの連作短編集。
番外編というか長編3作の前日譚で、5編収録されています。
意外な人物が出てきたりしてシリーズを通して読んできた人には楽しめる内容ではと思います。
なかでは、「回る寿司」が日常の謎タイプの秀作でした。

No.644 4点 砂の城の殺人- 谷原秋桜子 2010/07/04 17:13
激アルバイター・美波シリーズの第3作。
前2作の復刊が好評?で、久々に書き下ろしされたようです。
複数探偵ものの様相で、廃墟での死体発見からちょっと複雑な物語の構成になっていますが、やはりトリックがイマイチです。

No.643 5点 龍の館の秘密- 谷原秋桜子 2010/07/04 17:13
激アルバイター・美波シリーズの第2作。
若干単調だった前作に比べて、仕掛けのある館もので本格度は高め。しかし、トリックはあまり感心できませんでした。

No.642 5点 天使が開けた密室- 谷原秋桜子 2010/07/04 17:13
激アルバイター・美波シリーズの第1作。
中高校生向けのラノベで、アルバイト先で不可解な事件に遭遇というのがパターン。きっちり本格ミステリしていますが、第1作のため人物関係の説明に多くページを割いているのが物足りない。

No.641 6点 朱漆の壁に血がしたたる- 都筑道夫 2010/07/03 21:52
ものぐさ探偵・物部太郎シリーズの第3作。
マンネリ感もあると思いますが、ロジック重視が弊害のようになって、ストーリーがあまり魅力あるものに感じられなかった。
氏の作品はロジックよりプロットを重視した作品のほうが、嗜好に合うようです。

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