皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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makomakoさん |
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平均点: 6.18点 | 書評数: 862件 |
No.7 | 7点 | 東京『失楽園』の謎- 太田忠司 | 2008/12/07 09:34 |
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霞田兄妹シリーズはいつも目新しい何かを物語に反映させている。薀蓄と言った感じではなく自然に興味をわかせるようになっているところが楽しい。10年前に出てすぐ読んだが、当時あまり興味がなかったパソコン通信とエンジェルがキーとなっているためか、前作の巴里人形の謎と比べて印象が薄かった。トリックも犯人の一人もすぐ分かってしまうが、最終的には意外な結果となる。初読は6点、再読は7点が私の印象です。 |
No.6 | 9点 | 巴里人形の謎- 太田忠司 | 2008/12/04 21:41 |
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霞田兄妹国名シリーズで最も好きな作品。最初に読んだときはあまり印象に残らずストーリーもすっかり忘れてしまったが、今回再読してとても楽しめた。志朗が襲われた笠寺公園(私の母親はは高射砲陣地と呼んでいる)は通勤でいつも通る場所でもあり、興味がわいたこともプラス要素ではある。大きな謎や派手なトリックはないが、作者の分身のような名探偵の青春時代が描かれていて読後感もとても良い。今回発表順に霞田兄妹シリーズを呼んでいるうちに、登場人物たちをが好きになってしまったのが一番大きいのかもしれない。 |
No.5 | 7点 | 維納音匣の謎- 太田忠司 | 2008/11/30 07:48 |
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霞田兄妹シリーズも4作目となると読むほうは気軽に物語へ入れる。アンティックオルゴールの話やウイーンのお菓子の話が物語に散らばっているのも楽しい。名探偵霞田志郎はとても優しいため、毎回犯人を特定していくつれて周囲の人や犯人にまで心を痛め最後に落ち込んでしまう。最後に何とか立ち直って物語り終了となり読後感がよいのだが、今回はやや違った終わり方で、犯人は真相があきらかにされた後もまったく反省の色なし。そのため名探偵は大いに怒って落ち込まなくてもすむ。
初めて読んだときは違和感を禁じえなかったが、今回再読してみると最近のご時勢の先取りのような人間で違和感は前回ほどではなかった。そういえば前々作の倫敦時計の謎でもペットを殺されたのが動機となっており、最近の事件に共通するものがあるようだ。 |
No.4 | 7点 | 伯林水晶の謎- 太田忠司 | 2008/11/29 13:32 |
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倫敦時計に比べると多少落ちる。トリックめいたものはほとんどないが、でも本格物としてまずまず楽しめる。相変わらず読みやすい文章で読後感も良い。新しい登場人物は後で考えれば怪しげな趣味の人物であり、料理の仕方ではずいぶんおどろおどろしくもなりそうなのであるが、太田忠司らしくするりと軽く仕上げているところが良い。 |
No.3 | 9点 | 倫敦時計の謎- 太田忠司 | 2008/11/29 13:24 |
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霞田兄妹の第2弾。上海香炉がやや地味だったが、これは白昼の事件あり、連続殺人ありで、登場人物も太田忠司の作品にしては奇人変人が登場するなかなか派手な本格物。今回再読したが十分に楽しめた。高得点はひいきの作者であることも少しはあります。
1点減点はからくり時計の殺人の解決を霞田志郎に指摘されるまで警察が出来なかった点と(これは簡単に分かるはず)、ロングケースクロックのトリックはよほどの幸運(悪運?)がない限り無理であろうと思われるところ。 このサイトに書評がないのは寂しい。もっと評価されても良いと思うのだが。 |
No.2 | 8点 | 上海香炉の謎- 太田忠司 | 2008/11/24 10:29 |
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太田忠司のシリーズものでは、本格志向の高い霞田兄弟シリーズが最も好きだ。本格物としてはトリックがやや小粒であるがとても読みやすい文章で悲しく美しい物語が展開される。素敵な小説だと思う。登場人物が漫画チックな傾向にあるのが好みが分かれるところかもしれない。同郷の人間として名古屋弁や親しんでいる町が舞台のなっているのも好ましいのだが、こちらも他府県の人にはひょっとしたらマイナスなのかな。 |
No.1 | 7点 | 僕の殺人- 太田忠司 | 2008/10/19 13:31 |
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太田忠司の記念すべきデビュー作。彼は同じ名古屋在住でもあり個人的にひいきの作家だ。作品も新宿少年探偵団シリーズ以外は大体読んでいるつもり。いろいろな分野の小説を書いているが、やっぱり本格推理が一番だと思う。これは彼の小説の原点でありトリックもどんでん返しも推理の要素も含まれた秀作であろう。ただ彼の作品すべてに見られるように登場人物がかなりナイーブでやさしいため(ことにレストアなどは探偵がもうすぐ病院が必要なほどだ)、本格ものとしてどうしても少し弱い気がするのは私一人だろうか。 |