皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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こもとさん |
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平均点: 6.60点 | 書評数: 86件 |
No.5 | 6点 | 屋上物語- 北森鴻 | 2010/01/09 02:31 |
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良くも悪くも、あまりにも、北森作品らしい。 つまり、キャラの魅力はふんだんにあるが、謎解きに関しては、推理というには根拠が弱く、推測の域を出ない印象しか持てないということ。
などと、手厳しいことを言いつつ、実は私は北森氏の大ファンなんですが。 だって、ミステリと言えども『小説』ですもの、こんなに人物が描ける作家を、嫌いなワケないじゃないですか(笑) 正直、起こる事件の内容に関しては、救いようがない。 残忍というよりも、残酷なストーリーばかりだったけれど、3人のキャラ設定で救われた部分は、大いにある。 以前、『数字錠』を読んだ時、事件を解決した探偵が御手洗潔で良かったと思ったものだが、この短編集も、探偵役がさくら婆ァであることに意味がある気がした。 |
No.4 | 7点 | 孔雀狂想曲- 北森鴻 | 2008/05/27 21:34 |
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何しろ骨董という世界ですから、イメージとして、古めかしい、ともすると因縁めいた世界を連想してしまうのですが。 それを清々しい読後感に仕立てるって・・・いや、さすが北森氏、お見逸れしました。 これはもう、キャラクターの魅力勝ちでしょう。
私はやはり、「一見キレモノそうではない人が実は鋭い観察眼を持っている」という「私、脱いだらすごいんです!」ばりの設定に弱いのですねぇ(違) 越名が強気で(謎解きの)勝負に出るシーンには、クラッと来ます。 えぇ、今の私の理想の男性は越名さんですから(いや、工藤さんは何処行った?/笑) |
No.3 | 8点 | 螢坂- 北森鴻 | 2008/05/02 01:17 |
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シリーズ3作目ですから、今やすっかり、私も『香菜里屋』の常連気取り。 私の為の空きのスツールが用意されているような、そんな気分になっています。 「マスター、あの席いつも空いてるけど、誰のため?」っていうような、常連さんとマスターの謎を提起する会話が聞こえてきたら素敵です(←オイ)
さて今作ですが、特に表題作・・・いいですね、これ。 何がいいって、やはりラストのオチが利いています。 ミステリというジャンルは、基本的にトリックに気を取られてしまいがちで、ともすれば、作家の文章力や、「小説」であるという部分が二の次になってしまう一面があると思うんですね。 だからこそ、作品自体に幅を持たせ、余韻に浸れる「ミステリ『小説』」って、なかなか出合えるもんじゃないって、私としては喜んでしまうワケです。 馥郁たる香り漂う、極上のミステリだと思います。 |
No.2 | 8点 | 桜宵- 北森鴻 | 2008/04/28 22:49 |
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ひとまず、今の私にとって理想の男性は、工藤さんですね(いや、のっけからソレかい!/笑)
「香菜里屋」シリーズの第2短編集ですが、今作も粒揃いです。 短編集となると、大抵、「表題作が一番良かったな」と思うのが常なのですが、今回は『十五周年』のラストシーンでやられました。 工藤の温かな人柄が、行間にあふれすぎですから。 そして、ミステリ的要素としては、『約束』が一番楽しめたというところでしょうか。 私の中でこのビアバーは、ノーマン・ロックウェルが描く絵の造りなんですが、白い縦長の提灯だけが、なかなかイメージにはまらなくて困っています(笑) |
No.1 | 8点 | 花の下にて春死なむ- 北森鴻 | 2008/04/28 22:13 |
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「とっておき」という言葉を口にする時、私は少しの誇らしさと、「秘密にしておけば良かった」というささやかな後悔の念、そんな二つの感情に襲われる。 そしてきっと本書を読めば、ビアバー「香菜里屋(かなりや)」に集う常連客の中にも、それは見え隠れする感情だとわかっていただけると思う。
ビアバー「香菜里屋」を舞台に、マスター「工藤」を探偵役に配した、安楽椅子モノで構築された世界は、本当にお見事。 工藤が供する極上のメニューと、気の利いたサービス・・・一言で言えば「居心地の良い」こんな空間に身を置いて、小さな謎と向かい合うことが出来れば、それはもう至福の時と言えるでしょうね。 度数の違う4種類のビールと、マスターの人柄、そして6つの謎・・・すべてに「酔える」連作短編集です。 |