海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ サスペンス ]
真夜中の相棒
テリー・ホワイト 出版月: 1984年03月 平均: 7.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


文藝春秋
1984年03月

文藝春秋
2014年04月

No.1 7点 E-BANKER 2015/04/16 23:20
1982年発表の作者デビュー作。
本作は同年のアメリカ探偵作家クラブ最優秀ペーパーバック賞を受賞した記念すべき作品でもある。
原題“Triangle”

~アイスクリームを愛する青年ジョニーは殺し屋だ。依頼は相棒のマックが持ってくる。ひとりでは生きられないジョニーをマックが過酷な世界から守り、ジョニーが殺しで金を稼いで、ふたりは都会の底で生きてきた。相棒を殺された刑事が彼らを追い詰めはじめるまでは・・・。男たちの絆と破滅を暗く美しく描いた幻の名作!~

『相棒』である。
水谷豊の相棒は何回か変わっているが、本作の「相棒」の絆は強固だ。
ギャンブルと女に狂ったハンサムなマックと、あまりにもシャイでひとりでは世間に出られないジョニー。
「殺し」の役割を与えられたジョニーは、とにかくマックに嫌われないために自らの“仕事”を続けていく。

それが何とも言えない「哀愁」を醸し出している。
とにかく“悲しい”のだ。
マックもジョニーも、そしてふたりを執拗に追いかける手負いの刑事サイモンも・・・
三人とも、決して抗うことのできない運命の波に呑まれていく。
第三章ではついに三人が一堂に会することになるのだが、そこには更なる悲劇が待ち受けることになる。
これも運命の残酷さを感じないではいられない。

「幻の名作」という惹句も決して誇張ではない。
『ああいい小説だなぁーと素直に思った』という池上冬樹氏のことばが言い得て妙。
いい作品です。
(夜、静かに読書をしていると、何とも言えない悲しい気分に包まれる・・・)


キーワードから探す
テリー・ホワイト
1984年03月
真夜中の相棒
平均:7.00 / 書評数:1