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[ 本格 ]
エドウィン・ドルードのエピローグ
スティーヴンズ警視
ブルース・グレイム 出版月: 2014年10月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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原書房
2014年10月

No.1 5点 nukkam 2015/02/16 12:18
(ネタバレなしです) 英国のスティーヴンズ警視とフランスのアレン警部が活躍する本格派推理小説は全部で13作書かれていますが、1933年発表のシリーズ第3作の本書は最大の異色作でしょう。アレンが登場しないのも理由の一つですが、スティーヴンズが1857年の世界に移動(?)するのです。しかもそこはチャールズ・ディケンズの未完のミステリー「エドウィン・ドルードの謎」(1870年)の中の世界なのです。但しグレイムはディケンズの作風を踏襲する気は全くなかったようで、ディケンズと比べると人物描写にはほとんど配慮していません。失踪中のエドウィン・ドルードは仕方ないでしょうが、ローザ・バッド、ランドレス兄妹、ディック・ダッチェリーなどの重要人物の登場が非常に少なく、未完のディケンズ作品の続編を期待する読者は物足りなく感じるかもしれません。その代わりというわけではありませんが13章から14章にかけての法廷場面でスティーヴンズがつい20世紀の知識を口に出してしまって窮地に陥ってしまうなど、過去の世界で現代人が悪戦苦闘する描写は本書の個性となっています。謎解きは証拠不足を好都合な証言で強引に解決しているような印象が強くすっきりできませんでした。21章の最後のとんでもない自白には唖然とするばかりです。


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ブルース・グレイム
2014年10月
エドウィン・ドルードのエピローグ
平均:5.00 / 書評数:1