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[ サスペンス ]
時のかたち
服部まゆみ 出版月: 1992年02月 平均: 6.00点 書評数: 2件

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東京創元社
1992年02月

No.2 6点 ボンボン 2016/02/22 23:20
4作の短編。どれも上流階級又は芸術家の方々のドロドロが舞台。しかし、意外にせつなくもいじらしい人間の心の機微が話の本筋になっていて、読後感は悪くない。
トリックは、具体的に一つ一つ取り出してみれば、多少稚拙な感じはするのだが、それがドラマの中に上手に埋もれているので、それほど気にならない。
ミステリ的には、「怪奇クラブの殺人」が痛快で一番良かった。これには、作者の長編「罪深き緑の夏」の登場人物の一人がそのままの設定で出演していて、いい味を出している。

No.1 6点 蟷螂の斧 2015/11/25 07:51
「BOOK」データベースより~『移ろいゆく時を画家の感性で捉えた珠玉の短編、密室・アリバイ・暗号・アナグラム・プロバビリティの犯罪…とさまざまなミステリ的アイディアに満ち満ちた服部まゆみのミステリ・ワールド。』

とありますが、ミステリ的アイデアより、心の機微、綾を中心に描いた作品のように思います。トリッキーさでは表題作「時のかたち」が印象的で、長編で読んでみたかった作品ですね。以下簡単な紹介
①「怪奇クラブの殺人」・・・大学入学の下宿を祖父宅に求めた僕。祖父は資産を怪奇趣味に投じ、自宅に怪奇博物館まで設立しようとする。それを阻止しようとする人々が・・・
②葡萄酒の色・・・軽井沢に住む私(翻訳家)の元に、転がり込んできた冴えない画家の友人。しかし、彼と私の兄の婚約者との間に何か秘密が?。私は彼に嫉妬しているのか?
③時のかたち・・・久ぶりの旧友からの手紙。彼の住む元ホテルを訪れた流行作家の私。14年前のホテルの火事以来である。その時は後始末の手伝いを断られ追い返させられたのだ・・・
④桜・・・崖から脚を滑らせ転落死した叔母の葬式の日、夫である叔父は小さな男の子を「これはわしの息子だ」と愛人とともに親戚一同に引き合わせた。そして叔父の死。密室殺人のように見えるのだが・・・。


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