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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
九月の滑走路
ドミニ・ワイルズ 出版月: 1980年02月 平均: 4.00点 書評数: 1件

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光文社
1980年02月

光文社
1987年02月

No.1 4点 kanamori 2014/12/30 11:58
脱獄囚モーガンはカトリック神父に成りすまし、ロサンジェルス空港から国外逃亡を企てていた。しかし、まさに今ジャンボ機が離陸しようとする直前、謎の武装集団が突然乗り込んで来て、一瞬のうちに機内は血の海と化した----------。

作者ドミニ・ワイルズは英国の女性作家で本書がデビュー作。光文社の、”海外の新進女性作家の作品を日本の女性作家の翻訳で”というシリーズの一冊で、今回は小泉喜美子訳です(もっとも彼女はもとから翻訳も本職なんですが)。
物語は、発端から過激な殺戮シーンが続き、女性作家の作品とは思えない骨太のスリラーに仕上がってはいるのですが、元々原文がこなれていないのか、翻訳に問題があるのかは分かりませんが、描写がスッと頭に入ってこないところがありました。
”ハイジャックもの”といっても旅客機は飛ばずに、全編にわたり空港での極限状況下で展開され、犯行グループや乗客たちの人間模様が中心になっているのがユニークなところですが、そのドラマ部分がいかにも類型的なのが残念です。また、こんなに死体の山を築く必要があったのか疑問に思ってしまうところがありました。。最後は女性作家らしくロマンスで締めているのですが。


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ドミニ・ワイルズ
1980年02月
九月の滑走路
平均:4.00 / 書評数:1