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[ 警察小説 ] ボックス21 エーヴェルト・グレーンス警部 |
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アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム | 出版月: 2009年04月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
武田ランダムハウスジャパン 2009年04月 |
No.1 | 6点 | kanamori | 2014/05/24 22:43 |
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ストックホルム市のアパートで、鞭打たれ意識を失った若い娼婦が発見され病院に搬送される。だが、病院で目覚めた女は、医師ら5人を人質にプラスチック爆弾を抱え地下の遺体安置所に立てこもる。女の要求は、グレーンス警部の旧友であるベングト刑事を呼び出すことだった--------。
犯罪ジャーナリストと元服役囚という異色コンビ作家による北欧警察小説、エーヴェルト・グレーンス警部シリーズの2作目。 スウェーデン社会が抱える病理を毎回素材にしていて、今作はリトアニア少女の人身売買と強制売春を扱っています。ただ、昨年話題になった第5作「三秒間の死角」では、人物造形の魅力とハラハラドキドキのエンタテイメント要素が融合していたのに対して、本書は前者に重点が置かれ、事件のサスペンス性に乏しい感じを受けた。 上記あらすじの事件は物語の中盤で表向き終結しており、グレーンス警部のある不審な行為に対する部下スヴェン刑事の追及と懊悩など、深みのある人物造形は十分に読み応えはあるのですが、ミステリとしてはやや物足りない。(オビの”衝撃の結末”は煽り過ぎで、たいていの読者は予想がつくと思う) |