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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
キルマスター①/スパイの城
AXE工作員ニック・カーター
ニック・カーター 出版月: 1967年01月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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早川書房
1967年01月

No.1 5点 kanamori 2013/08/12 21:50
米国秘密機関”AXE”に所属する工作員ニック・カーターを主人公とするB級のスパイ冒険スリラー。”キルマスター”とは殺人許可書をもつスパイの意味、サブタイトルの①はシリーズの1作目ではなく邦訳の1冊目を表す。本シリーズも60年代に続々と書かれた007シリーズの亜流といえます。
世界征服を目論む狂信的大富豪という敵役がチープな設定ながら、ストーリーは核ミサイル施設を有する北海の孤島への”敵地潜入モノ”で、冒険スリラーのプロットとしてはそれなりに面白いです。ただ、いたずらに煽情的シーンを何度も挿入しているため興醒めの部分がかなりあります。とくに色情狂のペンドラゴン夫人というのが強烈すぎる。読者サービスとしてのサディスティック&エロチックなシーンは当時のスパイものの必須要素なんでしょうかね。

なお、”ニック・カーター”という筆名は19世紀末から何人もの作者によって書き継がれたハウスネームで、この作者名と同じ名前をもつ主人公は最初は名探偵役として登場しており、その短編集は「クイーンの定員」にも選ばれています。


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ニック・カーター
1967年01月
キルマスター①/スパイの城
平均:5.00 / 書評数:1