海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ サスペンス ]
三つの秘文字
S・J・ボルトン 出版月: 2011年09月 平均: 5.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


東京創元社
2011年09月

No.1 5点 猫サーカス 2020/07/14 18:19
スコットランドのシェットランド諸島が舞台。夫の出身地シェットランドで暮らすようになった産科医のトーラは、死んだ馬を埋めようとして庭を掘り返しているときに、女性の死体を発見する。女性は心臓をえぐられ、背中に三つの古代ルーン文字が刻まれ、出産間もなく殺害されたようだった。しかし身元が判明した女性は、検視結果による死亡推定時期の前年に既に死んでいた。女性刑事デーナと協力し合って、トーラは真相を突き止めようとするが、不穏な脅しを受ける。夫婦関係や不妊に悩むトーラが真実を求めて果敢に突き進んでいく姿が実にいい。緊迫感あふれる産科医としての仕事の描写も、物語に奥行きを与えている。何よりも北欧文化圏でもあるシェットランドの独特の風土が、謎解きにも巧みに生かされ、個性的な物語世界を作り上げている。


キーワードから探す
S・J・ボルトン
2012年08月
毒の目覚め
2011年09月
三つの秘文字
平均:5.00 / 書評数:1