皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ サスペンス ] ノンストップ! |
|||
---|---|---|---|
サイモン・カーニック | 出版月: 2010年06月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
文藝春秋 2010年06月 |
No.1 | 6点 | E-BANKER | 2012/02/10 23:16 |
---|---|---|---|
21世紀の英・クライムノベルをリードする新鋭、S.カーニックが2006年に発表した第5長編。
たった2日間に巻き起こる、まさに「ジェットコースター・サスペンス」。 ~電話の向こうで親友が殺された。死に際に僕の住所を殺人者に告げて。その瞬間から僕は謎の集団に追われ始めた。逃げろ! だが、妻はオフィスに血痕を残して消え、警察は無実の殺人で僕を追う。走れ、逃げろ、妻子を救え! 平凡な営業マンの決死の疾走24時間。サスペンス史上最速の体感速度を体感せよ~ サスペンスとしては上出来かな。 旧友の死をきっかけに、謎の犯罪組織に追われる羽目になった男・トムと秘密警察組織のチーフ・ボルトの2人が視点人物となり、ストーリーが進んでいくわけですが、殺人やら銃撃戦やら誘拐やらが次々と矢継ぎ早に起こっていく展開は、まさに「ジェットコースター・サスペンス」の名に相応しい。 このスピード感こそ、サスペンスとしての面白さを助長しているのだろうと思う。 サブキャラの造形にも工夫が凝らされ、単なる「流行の」作品ではない。 事件は警察組織や財界の大物などを巻き込んで、徐々に広がり、複雑化していくわけですが、最終的な収束の仕方にやや不満が残ったかなぁ・・・ ラストがややオリジナリティに欠ける(=よくある展開ってやつね)ような読後感になってしまうのは、中盤以降でやや風呂敷を広げすぎたことが原因なのだろう。 そういう意味では、もう一捻りあっても良かったかなという気持ちにはなった。 ただ、まぁ全体的には十分に及第点を付けれる出来にはあるでしょう。この手の作品が好きな方にはお勧め。 |