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[ サスペンス ] 毒殺魔の教室 |
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塔山郁 | 出版月: 2009年02月 | 平均: 5.40点 | 書評数: 5件 |
宝島社 2009年02月 |
宝島社 2010年04月 |
宝島社 2024年10月 |
No.5 | 6点 | メルカトル | 2019/10/28 22:46 |
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那由多小学校児童毒殺事件―男子児童が、クラスメイトの男子児童を教室内で毒殺した事件。加害児童は、三日後に同じ毒により服毒自殺を遂げ、動機がはっきりとしないままに事件は幕を閉じた。そのショッキングな事件から30年後、ある人物が当時の事件関係者たちを訪ね歩き始めた。ところが、それぞれの証言や手紙などが語る事件の詳細は、微妙にズレている…。やがて、隠されていた悪意の存在が露わになり始め、思いもよらない事実と、驚愕の真実が明かされていく。『このミステリーがすごい!』大賞2009年、第7回優秀賞受賞作。
『BOOK』データベースより。 類似する設定である湊かなえの『告白』に僅かに先を越されたため割りを喰らった、隠れた佳作。地味で小品の印象は拭えないが、その完成度はデビュー作とは思えないです。多視点で事件の概要に様々な角度からスポットを当て、その裏に隠された人間関係や奸計を徐々に暴いていきます。 被害者は毒殺、加害者も既に冒頭で明らかにされており、これ以上何を探っていくのだろうかと半信半疑で読み進めていくうちに、次第に靄が晴れる様に色々な事実が見えてきます。その過程がサスペンスフルに描かれており、読みどころともなっています。表面に見えている事件の様相とはまた別に、誰がどんな思惑を抱えていたのか、或いは誰が誰に対してどのような感情を抱いていたのかなどが描かれると同時に、真相が浮き彫りにされる仕組みになっています。 派手なサプライズなどはありませんが、伏線もしっかり張られていて最後には見事に回収されます。ジャンルはサスペンスになると思いますが、ミステリとしても見るべきところは大いにある作品ではないでしょうか。個人的には優秀賞ではなく大賞でも決しておかしくはなかったと思います。まあしかし、『このミス』ですから、あまりに真面過ぎたのかも知れませんね。 |
No.4 | 7点 | VOLKS | 2018/06/24 19:31 |
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主人公、と言えるのかな… その人が事件のことを回想しながら真相を求めていく課程での思考回路が少しまどろっこしいというか、くどい感じもあったけれど、考えてみれば自分が同じ立場になったらきっともっとぐちゃぐちゃに悩むかもしれない…と思うと、とても人間らしく親しみがあり好感が持てた。
ただ、あまりに大人な、いうか、狡猾な6年生達で恐ろしい。 恐ろしかったけれど、なかなか面白くて一気読みだった。 |
No.3 | 5点 | まっち | 2014/03/09 11:53 |
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伏線がしっかりしていて楽しめました。
「告白」と似ていましたがこっちの方が好きです。 |
No.2 | 6点 | スパイラルライフ | 2012/02/13 11:18 |
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湊氏の告白と同時期に出版、テーマや構成(複数人物の一人称)も類似した作品。
こちらのほうがミステリ仕立てとなっています。 東野氏の放課後などの世界観が好きな方には、告白より楽しめるかもしれません。 ネタバレ 深水氏のエコールドパリ的なオチ。 伏線はしっかり書かれてますが。 |
No.1 | 3点 | あびびび | 2011/06/19 14:23 |
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ミステリー大賞の優秀賞。
ある小学校の6年生の教室でリーダー的な少年が毒殺された。そのあと、クラスメイトの男子が簡単な遺書を残し服毒自殺を遂げた。 それで事件は終わったかに見えたが、後に当時学級委員を務めた女性がそれを題材にした小説で賞をとり、それを読んだその学級の先生が自分の甥に調査を依頼する。 そのあとはその事件にかかわったであろう級友たちが30年前の事件についてそれぞれが意外な証言をする。 その語り口は逆バージョンの「告白」であり、物語の内容も酷似しているので惜しい気がした。 |