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[ サスペンス ]
夜に消える
ハワード・ブラウン 出版月: 1965年01月 平均: 5.00点 書評数: 2件

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早川書房
1965年01月

No.2 5点 kanamori 2015/01/22 18:58
湖畔の避暑地から妻と娘を乗せた長時間のドライブで深夜に自宅に帰り着いた「私」エイムズ・コーエルだったが、シャワーを浴びているわずかな間に、妻レオナが忽然と姿を消した。地元警察は当てにならないどころか、エイムズは妻殺しの容疑者として扱われる事態になる--------。

私立探偵ポール・パイン物の”栄光”シリーズで知られるジョン・エヴァンスが本名で出した単発物のサスペンス。
人間消失という不可思議で魅力的な発端から、次は私立探偵の失踪人捜しのような巡礼形式の展開になるのか、ウールリッチ風のムーディなサスペンスになるのかなどと想像していたら、全然違いましたw
エイムズの広告代理店の重役という立場をフル活用した捜索大作戦には唖然とさせられますが、この定型を外したプロット展開は読者によって好みが分かれそうです。個人的にはハードボイルドっぽく孤独な探偵行を期待していたのですが。
消失トリックは(小鷹氏の解説にもあるように)”アンフェアの線ギリギリ”、もっとはっきり言うと”無理筋”ですが、終盤のスリリングな展開だけはなかなか読ませます。

No.1 5点 こう 2009/01/03 23:41
 「血の栄光」などで有名なジョン・エヴァンズが本名で書いた作品です。(個人的にはエヴァンズ作品は未読ですが)
 大手広告代理店重役エイムズが主人公で妻、幼い娘と三人で長期休暇で旅行し車で帰宅、娘を寝室に寝かせ自分がシャワーを浴びて気づいた時には妻レオナが消え去っていた、という発端から始まる作品で出だしは非常に魅力的でした。
 隣家の夫妻の夫マークも同じ時間に消え失せてしまいまもなく近所で頭部を一撃され重体となって発見されて、警察は露骨にレオナ殺害、死体遺棄容疑で主人公を追い詰めるが主人公は独力で妻の行方を追う、というストーリーです。
 レオナ消失のトリックも実行不可能なもので主人公が現実に気がつかないのもあり得ないものです。
 主人公が自分の職業を利用して行方を追う所は通俗ハードボイルド作品と一線を画しているとは思いますが、主人公が真相をつかんだのも明らかに偶然であり合理性には乏しいです。
 また出だしの段階で明らかに主人公を容疑者扱いする警察の対応も安直なハードボイルド作品の私立探偵の扱いと同様で好きではありません。
 出だしが魅力的なだけに残念な作品でした。


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ハワード・ブラウン
1965年01月
夜に消える
平均:5.00 / 書評数:2