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人工心臓
探偵クラブ(国書刊行会)
小酒井不木 出版月: 1994年09月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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国書刊行会
1994年09月

No.1 6点 2014/10/20 22:42
11編の短編の他、エッセイ・犯罪実話9編、全集未収録作品4編を収録。ただし犯罪実話に分類されている『誤った鑑定』は実話をもとにしているのかもしれませんが、小説として構成されています。また「全集」の意味は明記されていませんが、たぶん昭和4~5年に改造社から出版されたもののことでしょう。4編中『被尾行者』が小説らしい小説になっています。
生理学・血清学者であった作者らしく、医学に題材を採った作品が多く、その要素がないのは11編中『犬神』と『外務大臣の死』だけです。とは言っても、学者作家っぽい堅苦しさはありません。1926年1月に発表された『人工心臓』と『恋愛曲線』は医学系SFですが、発明・開発過程を描きながらもむしろ人間性を重視した内容になっています。
『二重人格者』のあほらしいオチには、作中の患者ではありませんが笑うに笑えず、といったところでしたが、その他の作品はなかなか楽しめました。


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小酒井不木
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