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[ 社会派 ]
21人の視点
石沢英太郎 出版月: 1978年09月 平均: 7.00点 書評数: 2件

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光文社
1978年09月

光文社
1985年07月

No.2 8点 斎藤警部 2015/05/15 20:56
非常に凝った構成の本格推理小説。

思わせぶりなプロローグが終わると 、、 その後は全体が21の章(短いのと長いのとバラバラ)から成り立っているのですが、それぞれの章ごとに「視点」つまりその章の主人公、言ってみれば「私」が切り替わります。
「私」は殺人事件の被害者であったり目撃者であったり重要な鍵を握る人物であったり ..  様々。  内何人かはその行動の意味が読者にもはっきりと分かり(乃至分かった気にさせられ)、他の何人かは一体何をしているのかその真意が掴めなかったり微妙に引っ掛かる所があったりします。

「私」がころころと替わって行きながらなお事件捜査は徐々に核心に迫り、最後に明かされる事件の真相と背景、は社会小説として充分に重みがあり、
またそれとは別次元で最後に判明する犯人が 。。 100%やられました。まさかあいつだとは想像もしなかった 

No.1 6点 こう 2008/08/17 04:09
 三人称多視点の小説ですがタイトル通り21人の視点で描かれている作品です。多視点描写は現在ではありきたりですが当時としては意欲作と思います。30年前の作品でやはり社会派ミステリではありますが面白かったです。
 プロローグで汚職事件で父親が自殺したのは4人の人物が陥れたためだ、と告発する手紙が示され、次の章から多視点描写でそれぞれの人物の出来事が示されてゆきます。
 ストーリーとしては父親を自殺に追い込んだ子供が4人に復讐するのだろうな、と容易に想像がつきますが誰がその4人なのか、犯人は誰なのか、ということは当然明かされず進んでゆきます。キーになる人物はわかりやすいですが次々に死んでゆきます。3人称のためか人物描写は淡々としており、内容も含め社会派全般が合わない方には向かないかもしれません。
 容疑者は2人に絞られますが、そこで軽い叙述トリックというか伏線があり、ミスリードされるようになっています。
 本格臭は強くありませんが個人的にはなかなか面白かったです。


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石沢英太郎
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