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[ 本格/新本格 ] ルピナス探偵団の憂愁 ルピナス探偵団 |
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津原泰水 | 出版月: 2007年12月 | 平均: 6.50点 | 書評数: 4件 |
東京創元社 2007年12月 |
東京創元社 2012年12月 |
No.4 | 7点 | ことは | 2022/04/29 22:08 |
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「ルピナス探偵団の当惑」より、平均はかなり良い。1作ずつみてみよう。
「1.百合の木陰」 メンバーの病死という、ショッキングな出だしだが、語りは軽快。ラストの3行に見事に収斂する。 でも、1つ疑問点。xxがこんな複雑なことするかなぁ? 「2.犬には歓迎されざる」 ドードー鳥、ドイルの妖精写真、など、会食のシーンがとても楽しい。なにも事件がないのに、こんな会食いいなぁと思わせる筆致だ。しかも、それらが最後に伏線として立ち上がる。これは、よくできている。 でも、1つ疑問点。もっと穏便な方法があったんじゃないかなぁ? 「3.初めての密室」 冒頭の会話がいい。もうこの手の会話が主体の青春小説のほうが面白いのではないかと思う。また、犯人との対峙で、1作目のメンバーの出自が思い出される構成は見事。 でも、1つ不満点。事件が重すぎるよなぁ。 「4.慈悲の花園」 ある事実から一足飛びに真相にたどりつくが、これはちょっと飛躍が過ぎるだろう。卒業式前という設定やラストシーンと、本筋の事件がアンバランスと思われる。ラストシーンが、1作目に繋がるのがよくできているだけに残念。 1つ不満点。やはり、動機は共感どころか、理解もできない。 全体として、小説として読ませる部分はたくさんあって良いのだが、ミステリとするための作りに無理がある気がする。個人的意見では、”作者はミステリのセンスはない。でも、小説家としてのセンスはある”ということになる。 |
No.3 | 7点 | 虫暮部 | 2022/04/13 12:40 |
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シリーズ前巻でも思ったが、謎の解きほぐし方が上手くない。
○○の理由は?→××だから! と言う割とシンプルな軸を設定しておきながら、その周りに色々絡み付かせるせいで、ズバッと決めて欲しい話なのに説明がくだくだしくなってしまうのだと思う。ミステリ要素以外の部分は高評価出来るんだけどな~。 |
No.2 | 6点 | tider-tiger | 2016/07/27 00:29 |
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収録されている四編が過去へ過去へと遡っていくように配置されている。すなわち、ルピナス学園の仲良しトリオの一人が病死、葬儀の場面から幕を開ける百合の木陰から始まり、彼女らの卒業式の日に起きた事件である慈悲の花園で終わる。この配列にはもちろん意味がある。
前作の『ルピナス探偵団の当惑』は紛うことなくミステリだったが、本作は青春小説の色合いが濃い。文章は好みだし、変に細かいことに拘るところも自分は好きなのだが、それが読みづらさにも繋がっているかもしれない。ミステリ要素は希薄であり、全体的に軽いが、ところどころに刃が隠されたぬるくはない作品群といった印象。 百合の木陰 若くして病死してしまった摩耶は亡くなる前に夫にかなりの我儘を言い、周囲から顰蹙を買っていた。その傍若無人さにはなにか理由があったのか。 ミステリとしては大したものではないし、御都合主義と無理やりも目立つ。だが、話としては嫌いではない。 犬には歓迎されざる 動機がなかなか面白い。作者らしさを感じる。 初めての密室 この終わり方を嫌う、もしくはポカーンとなる方が多そうな気がする。個人的には凄い終わり方だと思った。 慈悲の花園 特殊な環境ゆえに発生した事件であり、犯行現場がそこであった必然性などなかなか面白いと思ったが、ミステリとしてはもうひと押し足りない。私は単純素直な性格なのでラストはちょっと感動した。 |
No.1 | 6点 | 江守森江 | 2009/05/24 03:27 |
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前作を読んだら当然手が出る。
でも、ミステリより青春小説色が濃くなってしまった。 ネタバレになるかもだが、この作品の構成上、シリーズはこれで完結だろう。 |