海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 短編集(分類不能) ]
見知らぬ妻へ
浅田次郎 出版月: 1998年05月 平均: 6.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


光文社
1998年05月

光文社
2001年04月

No.1 6点 斎藤警部 2026/09/21 19:04
“呆然とした沈黙の後に、電話は静かに切れた。”

彼方にミステリの幻影をのぞき見ずにはいられない。 パラミステリの更に半歩手前のような作品が並ぶが、ミステリの視点で読まずにはいられない独特の浅田次郎短篇集。
まるでNSPのようにやさしく柔らかい恋愛と淡い友情が沁みた文章だが、そこへかまやつひろしのような訳知りポイズンが適所々々品よく滴り落ち、ただごとでは済まない小説世界を完成させている。

「中央公園発地獄行きの定期便だ」

ヤクザ社会の絡んだ人情ストーリー残酷篇/ドタバタ篇。 遠い想い出に浸るしみじみ篇/ゾワゾワ篇。 蘇部健一を思わす趣向のやんちゃ作もある。 ラストセンテンスがどうも鼻につくピースがいくつかあるが、一方で最後の一行が予想外のブラック集束でほとんど怪談の域に達した凄い作もあった。 その作だけは充分にミステリ。 最後、八方丸く収めるのに上手いこと考えたな。。(?) 言外の諸々が、深過ぎる考え落ち要素として一気に襲い掛かるのだ。

踊子/スターダスト・レビュー/かくれんぼ/うたかた/迷惑な死体/金の鎖/ファイナル・ラック/見知らぬ妻へ  (光文社文庫)

表題作は、同作家による有名な「ラブ・レター」と同じく或る目的のための "国際偽装結婚" をモチーフとしているが、本作の方がプロットが複雑で、また違った色合い、複数方向へと伸びる人情哀歌と残酷さとで彩られている。 エンディングは異様なほど沁みる。 最後の数ページを無意識にすぐ読み返してしまいます。


キーワードから探す
浅田次郎
2010年09月
マンチュリアン・リポート
平均:8.00 / 書評数:1
2009年01月
草原からの使者
平均:2.00 / 書評数:1
2004年11月
霧笛荘夜話
平均:7.00 / 書評数:1
2002年09月
椿山課長の七日間
平均:2.00 / 書評数:1
2002年05月
沙髙樓綺譚
平均:7.00 / 書評数:5
2001年01月
姫椿
平均:6.00 / 書評数:1
2000年08月
薔薇盗人
平均:6.00 / 書評数:1
2000年04月
壬生義士伝
平均:8.00 / 書評数:3
1999年12月
シェエラザード
平均:8.00 / 書評数:2
1998年05月
見知らぬ妻へ
平均:6.00 / 書評数:1
1997年07月
活動寫眞の女
平均:6.00 / 書評数:1
1997年01月
プリズンホテル〈4〉春
1996年04月
蒼穹の昴
平均:9.00 / 書評数:1
1996年01月
きんぴか
平均:7.00 / 書評数:1
1995年09月
プリズンホテル〈3〉冬
1994年08月
プリズンホテル〈2〉秋
1994年03月
地下鉄に乗って
平均:5.00 / 書評数:2
1993年08月
日輪の遺産
平均:8.00 / 書評数:1
1993年02月
プリズンホテル〈1〉夏