皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] 片手美人 ボアゴベ作品の翻案 |
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| 黒岩涙香 | 出版月: 不明 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
![]() ノーブランド品 |
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| No.1 | 7点 | 空 | 2026/02/22 21:40 |
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| ボアゴベの "La main coupée"(「切られた手」1880)の翻案です。"La main froide"(「冷たい手」1889)は無関係で、内容からしてもどちらが原作か議論があったりしたらしいのが不思議です。筑摩書房の『明治文學全集47 黒岩涙香集』(1971)に収録されたのを読みました。デジタル・データの英訳版 "The Lost Casket"(「消えた小箱」)をざっと参照してみたところ、そうとう短縮はしているものの非常に忠実な翻案でした。あまりにご都合主義な偶然だなと思ったところも、原作のままなのです。
本作は、銀行の金庫室に仕掛けられた泥棒の手をはさむ罠に切断された女の左手が残されていたという衝撃的シーンで始まります。すぐ後に続く脱線かと思えた、頭取が娘と銀行の高等書記との結婚に反対するという悲恋話も、うまく本筋のロシア大尉が銀行に預けた小箱盗難事件と絡めていて、国際スパイ系と言っていいスケールの展開になり、感心させられました。 |
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