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[ サスペンス ]
梅花郎
ボアゴベ作品の翻案
黒岩涙香 出版月: 1942年01月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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1942年01月

No.1 6点 2022/07/09 07:28
1889年2~4月に「絵入自由新聞」に連載された、かなり初期の翻案です。村津伯爵の別荘近くで友人蝉澤が殺された現場に居合わせたため一旦は殺人容疑で逮捕された梅花郎が、保釈後真犯人探索に乗り出すというと、オーソドックスな謎解きミステリのようですが、捜査的興味は結局ほとんどありません。中盤は舞台を都会に変え、村津伯爵の二人の娘と梅花郎との関係を軸としたサスペンスで、梅花郎はむしろ脇役的な扱いです。しかし最後にはある人物の告白により、急転直下蝉澤殺しの犯人も明らかになります。
ジョージ・マンヴィル・フェン『ロザリー家一族』("The Rosery Folk")の翻案とされる作品ですが、実際には主要舞台Ferret岬や主役の名前Biscarosからラストの「決闘」顛末、殺人事件の真相までそっくりな、ボアゴベの "Le Chalet des Pervenches"(「ペルヴァンシュ荘」1888) が原作です。


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