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[ 本格 ] The Maxwell Mystery フレミング・ストーン |
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| キャロリン・ウェルズ | 出版月: 2017年07月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
![]() Lulu.com 2017年07月 |
![]() Independently published 2024年12月 |
| No.1 | 5点 | 弾十六 | 2026/01/02 01:02 |
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| Carolyn Wells(1862-1942)はシャーロッキアンとかディクスン・カーマニアには知られてるかな?
フレミング・ストーン探偵が登場する探偵小説の長篇62作(1909-1942)を出版した、という輝かしい実績を持っていた作家です。この同一探偵シリーズの長篇作品数記録はガードナーのペリー・メイスンが1960年に破りました。 キャロリンさんは日本では、ホームズ・パロディというか名探偵協会シリーズが一番有名でしょうね。 ディクスン・カー関連では、ダグラス・グリーンの評伝で、カーは1945年?の米国訪問中、ダネイに古本屋に連れて行ってもらい、少年時代に楽しく読んだキャロリンさんを思い出して全作品(150冊)を買って英国に送ってもらったのだが、読んだら「ダメだコリャ」だった、というエピソードがあります。 キャロリンさんは森事典では全く無視されてて、まあ本格探偵小説としてはねえ… さて、本作はフレミング・ストーンが世に出た最初の作品(たぶん作者が書いた最初の本格探偵小説のはず)です。 あれ?世にある作品リストではThe Clue (1909)が最初でヘイクラフト&クイーンのマイルストーンズでもその作品が選ばれてる。The Maxwell Mystery は1913年出版のシリーズ第四作だよ、という声が聞こえる(空耳です)。 まあ世間ではそうなってるけど、FictionMags Indexで見つけたフレミング・ストーンの雑誌発表作品の最初はThe Maxwell MysteryでThe All-Story Magazine 1906年5月号に掲載となっている。その後、書き足して一冊分の長篇として1913年に出版したというわけ。第二作はA Chain of Evidence (初出Lippincott's Magazine 1907年9月号で、これも書き足して1912年に出版している。The Clueは1909年4月号にLippincott's Magazineで発表された後、単行本として、シリーズ最初に出版されたというわけです。 長篇出版第二作となったThe Gold BugもLippincott's Magazine1910年2月号で発表され、出版されているので、両作品が好評だったことから、昔書いたA Chain of EvidenceとMaxwell Mysteryをお蔵出しして書き足し、出版した、という流れだと思う(A Chain of Evidenceが先に出版されたのはリピンコット繋がりだろう)。 私はThe Clue長篇版、A Chain of Evidenceの雑誌版と長篇版を先に読んでいて(実はここでMaxwell事件を見事に解決したフレミング・ストーンと書かれている)、Maxwell Mysteryの雑誌版が読みたいなあ、と思っていたら、パルプ雑誌をPDF化している奇特なサイトに掲載号があるじゃないですか! 早速読みました。 実はガボリオ『ムッシュー・ルコック』の前に翻訳連載しようかなあ、と考えていたのですが、あんまり面白くないんですよね… 本格探偵小説としては全然物足りない。ディクスン・カーがガッカリしたのもわかるなあ… まあ1900年代(オー・ヘンリーの時代)の米国社交生活を彷彿とさせる骨董興味があるので、私には十分楽しめました。そしてキャロリンさんの初期探偵小説はインクエスト場面がメインです。 英国のオルツィ女史もそうなんですが、インクエストの審問で次々と意外な事実が積み上がって進んでゆく、という構成です。警察や探偵が訊問する場面はメインではないのです。 いずれ本格的にインクエスト記事を書くつもり(これ書くの何回め?)ですが、日本でも英米でも英米でもあんまり重要視されていないインクエストが探偵小説に与えている影響は非常に大きいんですよ。(我がブログで軽くふれています。https://danjuurock.hateblo.jp/entry/2024/04/12/072615) さて、あらすじ、と言ってもいつもの通り第一章「ハウスパーティ」をざっと、後は目次を並べます。 ニューヨーク在住の僕(ピーター・キング)はニュージャージーにあるマックスウェル家のパーティに呼ばれる。行きの列車で前に知り合った魅力的なアイリーン・ガードナー(キャロリンさんはアイリーン・アドラーをイメージしてる?歌姫だったらしいし…)と出会う。彼女もパーティに参加するのだ。 列車のなかで二人は探偵小説をネタに議論する。誰かをこの世から排除したいという動機を持っていて、偶然、最高の機会が転がり込んだらあなたは人を殺せるか? パーティ主催者のフィリップ・マックスウェルは僕の学生時代の友人で、魅力的な小悪魔ミルドレッドに魅せられている。フィリップはマックスウェル家の主人、ダドリー・マックスウェルの甥で、早くに父母を失った後、跡継ぎのいないダドリーが屋敷に呼び寄せたのだった。 僕はダドリーと未婚の妹ミランダ・マックスウェルに気に入られていて、楽しい週末を過ごせそうだ。 第二章 音楽と共に死が踊る 第三章 揺れ動く命 第四章 誰が撃った? 第五章 検死官の審問 第六章 怪しい証言 第七章 赤インクとブロンズの馬 第八章 手がかりを探して 第九章 容疑者 第十章 状況証拠 第十一章 ついに 第十二章 死にゆく者の口から 長篇版はざっと眺めただけですが23章に増量。登場人物も増えているようです。 |
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