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[ SF/ファンタジー ]
ブンとフン
井上ひさし 出版月: 1991年06月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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新潮社
1991年06月

No.1 6点 斎藤警部 2025/08/31 12:19
売れない作家 「フン」 先生の小説 「ブン」 がまさかのスマッシュ・ヒット。 タイトルロールの 「ブン」 は神出鬼没・変化自在の怪盗さん。 こやつが小説の中を飛び出して現実世界で大暴れ、人々の大喝采を得る。 これが恰好の宣伝となり小説 「ブン」 は何十万刷の大ヒットを記録するが、刷られた分だけ 「ブン」 の分身が大量発生したものだからたまらない。 国境をまたぎ世を搔き乱す 「ブン」 たちは警察から捕縛の対象となり、何故かそこに 「悪魔」 まで巻き込んでハッチャキメッチャキのシュトルムウントドラング大宴会が世界を襲う。 あとは秘密。

戯曲や放送台本を書いていた井上ひさしさんの、小説家としてのデビュー作。 長篇ですがあっという間の掌編感覚です。 SF感覚ほぼゼロの風刺おふざけファンタジー。
ジュヴナイルとして書かれたそうで、もののウィキによれば
>> 1970年1月10日、朝日ソノラマのジュブナイル小説シリーズ 「サンヤングシリーズ」 のNo.18として、 「1億総ゲバ・ヤング」 を謳い刊行された。
との事。 実にゲバゲバナンセンスでギャラクテッィクファイヤーな本なのであります。

数十数年をおいての再読でした。 生意気盛りの当時は 「ゆるいなあ」「ギャグが古いなあ」 とブツクサ思いつつもゆったり読んだものですが、今となっては何もかもゆるくも古くもなく、スタスタと面白く瞬殺読みさせていただきました。 何周か回ったのでしょうか、地球が。 6点でもかなり上のほう。


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井上ひさし
1991年06月
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