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[ 青春ミステリ ] 涼宮ハルヒの直観 涼宮ハルヒシリーズ |
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谷川流 | 出版月: 2020年11月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 2件 |
![]() KADOKAWA 2020年11月 |
No.2 | 6点 | メルカトル | 2025/04/19 22:51 |
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初詣で市内の寺と神社を全制覇するだとか、ありもしない北高の七不思議だとか、涼宮ハルヒの突然の思いつきは2年に進級しても健在だが、日々麻の苗木を飛び越える忍者の如き成長を見せる俺がただ振り回されるばかりだと思うなよ。
だがそんな俺の小手先なぞまるでお構い無しに、鶴屋さんから突如謎のメールが送られてきた。 ハイソな世界の旅の思い出話から、俺たちは一体何を読み解けばいいんだ? 天下無双の大人気シリーズ第12巻! Amazon内容紹介より。 短編+中編+長編の構成になっています。最初の短編は取るに足らない内容なのですぐに忘れてしまって問題ないです。中編はよくある学校の七不思議を自分たちSOS団で作ってしまおうという話で、まあそれなりに面白いです。あまり突飛なものではなく、定番の怪談話をアレンジしたものであり、どうでも良い様な議論が繰広げられます。ここまではラノベ臭が多少漂いながらも突出したものは感じられません。 問題はここから。長編の書下ろし『鶴屋さんの挑戦』ですね。これは最早本格ミステリのジャンルに入れても問題ないのではないでしょうか。後期クイーン問題が様々な文献を用いて追及されますが、個人的にはもっと深入りして欲しかったというのは欲張り過ぎでしょうかね。それは飽くまで前振りなので仕方ないかも知れませんが。 そして本題に入ると、常人には理解不能というか、到底真相に辿り着きそうにもない鶴屋さんからの挑戦にSOS団の面々が、常人離れした頭脳でサクサク解き明かして行きます。ここが本書の最大の読みどころで、なるほどと唸らされます。これだけで一冊に出来たものを、わざわざ他の二編を入れたのはなんだか余分だった気がします。 シリーズ中一作目しか読んでいない私でも、問題なく読めました。作風はかなり変わってしまっている様な感じはしましたが。 |
No.1 | 8点 | 虫暮部 | 2025/03/28 11:24 |
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ジャンル登録どうしよう。シリーズの基本設定であるSF要素は殆ど関わって来ない。後期クイーン問題から入って、謎の旅レポについてSOS団で侃々諤々する展開に燃える。葡萄踏みの情景には胸が躍った。
ページが余ってるよと思ったら、叙述トリックのみならずその先にもツイストがあって唸らされた。しかし、ハルヒがまともに謎解きを試みていて、何だかキャラが変わってない? 旧巻未読で本作だけ読んでもまぁ大丈夫。コレはミステリ読みが評価しないと勿体無い! |