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[ SF/ファンタジー ]
令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法
新川帆立 出版月: 2023年01月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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集英社
2023年01月

No.1 6点 パメル 2025/02/04 19:32
舞台は令和ならぬ「礼和」、「麗和」、「冷和」などの架空の元号(読み方はすべて「レイワ」)が使用されている法律がテーマの6編からなるパラレルワールド短編集。想像もつかないような法律が出来てしまったら、社会はどうなってしまうのか、思考実験を具現化した作品が並んでいる。
「動物裁判」では、あらゆる動物に人間同様「命権」が認められるという考え方が浸透している。
「自家醸造の女」では、歴史も現実と異なっており、戦後すぐにGHQの主導で日本に禁酒法が導入されている。
「最後のYUKICHI」では、現金が廃止され、地方や反社の間だけ流通し、マネーロンダリングの手段になっている。
「接待麻雀士」認知症予防に効果があるという建前で、賭け麻雀が合法化され賄賂の授受に利用されている。
その他の作品も含め、すべての作品が奇妙なアイデアに基づいている。いずれも架空のレイワ社会を細部まで設定することでリアリティを演出しつつ、「令和」の現実への風刺にもなっている。法律が定めたことで、新たな同調圧力が生まれ、そのしわ寄せが人々の生活に歪つな影響を及ぼすことになってしまうのだ。
思いがけない反転や皮肉と戦慄に満ちた展開など、さまざまな作風を披露しつつ、社会を見据える鋭い眼差しで統一された意欲的な歴史改変SF短編集。


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新川帆立
2023年01月
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