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[ サスペンス ] 死んだ木村を上演 |
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金子玲介 | 出版月: 2024年11月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
講談社 2024年11月 |
No.1 | 7点 | メルカトル | 2024/12/21 22:31 |
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啓栄大学演劇研究会卒業生の元に届いた脅迫状。
『誰が木村を殺したのか、八年前の真実を知りたければ、2024年1月9日14時、雛月温泉の宿・極楽へ来い』 集められたのは、庭田、咲本、羽鳥、井波の4人。 木村が死んだあの日の夜、劇研4年生だった皆には、それぞれ秘密にしていることがあったーー。 Amazon内容紹介より。 前半の茶番劇は何だったのか、これと云った伏線が張られている訳ではなく、個々人のアリバイの有無が後で効いてくる位の役目しか果たしていないのが悔やまれます。この部分で死んだ木村の心境や人となり等がある程度は掘り起こされてはいますがね。 しかし、終盤に差し掛かる辺りの怒涛の展開というか、四人による口論は凄まじいものがあります。誰が木村に引導を渡したのか、全く予断を許しません。 クライマックスも含めて全体的に荒削りな点はあると思いますが、読み終えれば木村役を含む死の当日の再現は、そういう事だったのかと納得が行きました。そしてミステリファンには嬉しいある仕掛けが施されており、この時点で8点もアリかと思われましたが、これからが本番だと気合を入れたところ、呆気なく終わってしまい非常に残念です。 まあそれでも大変な異色作であるのは間違いなく、ただ読み手によって評価がかなり分かれそうな気がします。個人的には好みの範疇で、作者の才能が前作同様垣間見られたのは良かったと思います。この人はまだまだ何か色んなことをやってくれそうな予感がします。 |