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[ サスペンス ]
転売ヤー殺人事件
松澤くれは 出版月: 2024年08月 平均: 3.50点 書評数: 2件

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集英社
2024年08月

No.2 2点 たかだい 2025/01/29 22:10
そのものズバリなタイトルやあらすじは面白そうで期待値が上がったものの、実際に読んでみたら拍子抜けな内容でした
転売ヤーという存在を殊更悪として描いていて、しかも内容が大分くどい…
確かにあまり褒められた行為ではないのは分かりますが、この話のように晒し者にされているのも不快感がある
もっとも、その転売ヤーである主人公のキャラクターも自己正当化と開き直りが酷くて好意的には見えずらい
では事件そのものはどうか?と言えば、これも薄っぺらい
「転売ヤーが殺される」
ただこれだけの内容で、それ以下はあっても以上はない作品でした

No.1 5点 メルカトル 2024/10/29 22:40
プロとして、誇り高く転売行為を続ける「俺」。しかし巷では転売ヤーを狙った連続殺人事件が発生、現場の動画がSNSで拡散され、転売が社会問題として連日ワイドショーでも話題となる。
身の危険を感じつつ転売を続けている中、「俺」は人気中学生配信者の凸を受けてしまったことから自宅を特定され、転売ヤーの元締め「転売王」だという事実無根の噂を流されるなど、とんでもない状況に陥り……。
Amazon内容紹介より。

第一章は文句なく面白いです。これは期待出来ると思ったのもつかの間、物語が進む程にトーンダウンしていくのが遣る瀬無いと云うか、残念でした。
タイトルに堂々と殺人事件と謳っていますが、内容的には転売屋の実情を浮き彫りにするばかりで、ミステリとはほとんど無関係のストーリーとなっています。転売という世間的には余り好ましからぬ行為を生業としている主人公に、感情移入が出来ません。作者も立ち位置として、どちらかと言えば突き放した様な書きっぷりで、主人公を好意的に描こうとしていないのが文章から伝わってきます。

犯人もおよそ想像の範囲内で意外性も何もありません。一応サスペンスで登録しましたが、それ程サスペンスフルではなく、その意味では読む価値はありません。ただエピローグで、所詮転売行為は不正ではないものの、決して真似してはいけないものだと語っている気がして、何となく納得できましたね。


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松澤くれは
2024年08月
転売ヤー殺人事件
平均:3.50 / 書評数:2