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ライルズ山荘の殺人
マーダー・ミステリ・ブッククラブシリーズ
C・A・ラーマー 出版月: 2024年11月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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東京創元社
2024年11月

No.1 5点 nukkam 2024/12/28 03:51
(ネタバレなしです) 2020年発表のマーダー・ミステリ・ブッククラブシリーズ第4作です。当初の英語原題は「And Then There Were 9」ですが、創元推理文庫版は2022年に「When There Were 9」に改題された版のようです。このタイトルで想像つかれる読者も多いと思いますが、アガサ・クリスティーの有名作「そして誰もいなくなった」(1939年)のパロディー要素があります。新メンバーが参加して9人体制になったクラブの面々が山荘に集結する場面なんかクリスティー作品を読んでいた自分はにやにやしてしまいました。作中でクリスティー作品のネタバレしているのは遺憾に思いますけど。巻末解説の紹介の通り、これまでのシリーズ作品中最もサスペンス濃厚な作品です。もっともこのシリーズにコージー・ミステリを期待しているかのようなコメントは個人的には違和感があり、このシリーズは謎解きが薄味になりがちなコージー・ミステリとは一線を画した本格派推理小説だと思っています。犯人にたどり着く推理が説明不十分気味だったり、真の動機の説明が後出し感が強いなど謎解きとしては問題点もありますけど退屈せずに読めました。迫る山火事というエラリー・クイーンの「シャム双生児の秘密」(1933年)を連想させるシーンの導入も効果的です。


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C・A・ラーマー
2024年11月
ライルズ山荘の殺人
平均:5.00 / 書評数:1
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