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[ 本格/新本格 ] 騙し絵の館 |
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倉阪鬼一郎 | 出版月: 2007年03月 | 平均: 4.00点 | 書評数: 1件 |
東京創元社 2007年03月 |
No.1 | 4点 | 空 | 2023/11/03 20:19 |
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バカミスの作家として知られる倉阪鬼一郎初読です。しかし、本作のバカミス・トリックは、主役と言っていい美彦(よしひこ)=駆け出しミステリ作家井原真彦が自作『天使の庭』の中で使おうとする密室トリックだけで、それはすぐにタネを明かしてしまいます。
それより、しつこく仕掛けられた叙述トリックが中心の作品で、全体のプロットそのものは悪くないと思いました。しかし問題なのは新聞をにぎわす連続少女誘拐殺人事件の扱いで、最初のうちこの事件がメインなのかと思っていたら、途中でどうにも中途半端な解決になってしまうのです。 それと… 今書きつつある、この文章のような… そう、まさにこのような文章で、 それにまた改行の仕方で、書き連ねられた… やたらに気取ったあいまいな「詩的」文体も、このプロットのために最適だったとは思えません。叙述系では、「……館」が気に入りました。 |