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[ SF/ファンタジー ]
ホワイトバグ 生存不能
安生正 出版月: 2021年08月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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宝島社
2021年08月

宝島社
2023年08月

No.1 7点 人並由真 2023/09/16 05:36
(ネタバレなし)
 2026年1月。南極海の洋上で、潜水調査船支援母船「なんよう」が、不測の海難事故に遭う。そしてアフガニスタンと中国を繋ぐワフジール峠では、国境警備隊が謎の敵の攻撃を受けて全滅した。さらにそのアフガニスタンの山地では、日本の気象観測隊も猛烈な寒波のなかで何かの襲撃を受けた。日本政府は、国際的な登山家である41歳の甲斐准一に救助隊への参加を依頼。識者である研究者とともに現地に向かうが、そこで彼らが遭遇したのは、全人類が対面する未曽有の脅威であった。

 文庫版で読了。
 壮大な科学ビジョンあり、活劇の要素あり、(中略)ホラーまたはショッカーの興味あり、パニックものの趣向もあり、そしてエコロジーテーマやポリティカルフィクションの成分あり、なにより人間ドラマが豊富……という、良い意味で定食的な、ニューエンターテインメント。その意味、フツーに面白い。

 よかったら、映画企画用に映像化権を買ってくれ、という映画業界に向けた作者の欲目も見える気もするが、実際に特撮大作映画として観たら、さぞ楽しめるだろう(ある種の……という面はあるが)。
 
 まあ、まとまり具合があまりにソツがなく読ませるので、少年誌か青年誌に連載されたSF漫画みたいな感じもあるが、これは悪口ではない。
 伏線の回収など、王道的にちゃんとやっているし。

 面白かったけれど、読み終えてみると、実はあまり新しいものがないのにも気づく。まあ、いいけど。
 こういう作品もたまに読むのが楽しいのは、間違いないし。


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安生正
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