皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ その他 ] 東京クライシス 内閣府企画官・文月祐美 内閣府企画官・文月祐美 |
|||
---|---|---|---|
安生正 | 出版月: 2019年03月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
祥伝社 2019年03月 |
No.1 | 6点 | HORNET | 2019/11/17 16:37 |
---|---|---|---|
文月祐美は、内閣府の防災担当企画官。真夏の東京で、荒川の決壊が懸念される豪雨が発生。竜巻が変電所を襲い発生する大規模停電、鉄道機関の麻痺、溢れる帰宅困難者。刻一刻と洪水の危険性が高まる中、対応に迷走する政府。そこに乗り込んだ文月は、政府勅命の顧問団が居丈高な態度で対応をかき回し、どんどん事態を悪化させている様子に怒りを抱く。いきり立つ文月だが、なぜか招集された謎の男にその姿勢を諫められ―
氏の作品はとかくこういった非常事態対応モノが多いが、昨今の日本の状況の中では奇しくもタイムリーな題材の作品となった。バカなトップ(首相)と、そのお抱えの顧問団が政府の対面だけを考えて動こうとする中、下位にある専門家が憤る―という構図はありがちではあるが、今回は首相のバカぶりが際立ってヒドい。最終的に、ヒロイン・裕美の活躍により首都が救われる、という体もハリウッド映画っぽいが、そういう意味で楽しいと言えば楽しい。 |