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[ 本格 ]
アリス連続殺人
セルダム教授
ギジェルモ・マルティネス 出版月: 2023年09月 平均: 4.00点 書評数: 1件

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扶桑社
2023年09月

No.1 4点 nukkam 2025/05/30 18:06
(ネタバレなしです) 「オックスフォード連続殺人」(2003年)から16年も経過して、続編にあたる本書が2019年に発表されたのは驚きでした(前作ネタバレはありません)。作中時代は「オックスフォード連続殺人」の1年後の1994年で、セルダム教授と名無しの語り手(アルゼンチンからの留学生)が再び探偵役となる本格派推理小説です。「不思議の国のアリス」(1865年)で有名なルイス・キャロル(1832-1898)の失われた日記帳の空白を埋めるかもしれない資料の発見とその真贋の鑑定依頼がきっかけで2人が事件に巻き込まれていくプロットです。セルダム教授は数学者ですがテーマがルイス・キャロルのためか数式や数字が飛び交うことはほとんどありませんが、それでも会話は私には回りくどく感じられます。展開にメリハリがない欠点は前作と同様で、最初の被害者に謎の写真が送られた出来事なんかあまりにもあっさりと記述されていて危うく見落としするところでした。それでも後半はミステリーらしさが加速しますけど、三十章で語られる最後の事件の真相はあまりにも魅力を欠いており個人的には大幅減点評価です。ただエピローグでのどんでん返しと事件の悲劇性を再認識させる演出は巧妙だと思います。


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ギジェルモ・マルティネス
2023年09月
アリス連続殺人
平均:4.00 / 書評数:1
2009年06月
ルシアナ・Bの緩慢なる死
平均:6.00 / 書評数:1
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