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[ 警察小説 ] 鬼警部アイアンサイド 交錯の銃弾 鬼警部アイアンサイド |
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I・G・ネイマン/W・ミラー | 出版月: 不明 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
No.1 | 6点 | クリスティ再読 | 2023/08/01 10:05 |
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パトカーのサイレンを模したクインシー・ジョーンズのテーマ曲も有名だけど、何か気分転換に読みたくなった。そういえば「刑事コロンボ」とほぼ同時期なんだよね。だからTV放送当時にはコロンボ同様にノベライゼーションが出版されていたのが懐かしい。これがノベライゼーションの1作目。
(Amazonにないみたいなので書誌補足。グロービジョン出版の新書本・昭和50年1月29日初版・訳者は梶龍雄で見返しに氷川瓏の推薦文) 今時は一応設定の説明が必要かな。ペリー・メイスンを演じて人気絶頂だったレイモンド・バーのもう一つの当り役で、サンフランシスコ市警の敏腕刑事部長だったアイアンサイドは、卑劣な犯罪者に撃たれて半身不随の身になった。不屈のアイアンサイドは車椅子を駆って「嘱託警部」の立場で3人の部下を与えられて、再び犯罪に戦いを挑んだ! ペリー・メイスンの頃からすれば随分太っていて、車椅子に乗ったアイアンサイドに映像的な説得力があるんだね。腕っぷしはそれでも鍛えて強いから、車椅子のままでもみ合いを制するとか、そんな描写もあるけども安楽椅子探偵風の「推理」も大事な作品。 でこのノベライゼーションでは、部下として可愛がっていた刑事が射殺死体で見つかった。その家には不審な札束が...暗黒街の大物を標的とした捜査に携わっていたことから、汚職容疑が死んだ刑事にかかる。それに憤ったアイアンサイドは、ハイソ雑誌出版社社長の妻が殺された事件とのつながりを探り出す。刑事はこの社長の愛人だった女性と結婚を考えていた...刑事殺しと社長夫人殺しはどうつながるか?暗黒街の大物の役割は? というあたりの興味の作品。アリバイ工作にちょっとしたミスディレクションが仕込んであって、リアルな仕掛けだけどミステリとしてもナイスだと思うよ。そういやマクベインがシナリオに関わってた話もあるそうだ。 そのうちジム・トンプスンが書いた新作もやろうかな。 |