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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
ウネルヴィル城館の秘密
贋作アルセーヌ・ルパン ボアロー&ナルスジャック作品
アルセーヌ・ルパン 出版月: 1974年10月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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新潮社
1974年10月

No.1 7点 クリスティ再読 2023/03/14 13:49
最近ボア&ナル再開したし、ルブランやってるし....で問題の贋作ルパン。

いや本サイトだと「著者:アルセーヌ・ルパン」にせざるを得ない。シリーズ5作も新潮文庫で出た3冊はアルセーヌ・ルパン著、サンリオからの第4作はボワロ=ナルスジャック、ポプラ社ジュヴナイルのみの翻訳の最終作「ルパン危機一髪」はポプラ社ボア&ナル・ルパンの通例で用心深く南洋一郎の名前しかない....

シリーズの評がいろいろな著者名に散乱することになる。まあ仕方ない。

このボア&ナルの贋作シリーズは、ルブラン遺族に了解を取って、ルパン自身が書いた回想録から...という設定になっている。世界再現度は高いし、シリーズ内登場人物もそれとなくいろいろ登場。設定年代も第一次大戦直前で「813」あたりの時代。ルパン自身が車やサイドカー付きバイクを運転したりもする。それでも焦点はウネルヴィル城館に隠された二月革命動乱時の秘密とは?と「813」っぽい。いや事件も「813」のアルテンハイム男爵みたいなガルスラン男爵が表の敵役で、暗躍する謎の殺人鬼は誰?というあたり、「813」を彷彿させる内容。「続々813」みたい、といっちゃあ褒めてるのかけなしているのか?

でも真相は結構面白い。ミステリ度が高い、と言ってもいい。ちょっと評者の評価がいいのはそのせい。財宝の隠し場所が二転三転するあたりもいいしね。欠点はルパン、というよりも「ルパン三世」っぽい。要するに、チャラい。本家はもっと誇大妄想的だから、それがマジなロマンの味わいになっていると思っているんだ。

パスティーシュ・パロディの羞恥心がないのが、天然の味。


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アルセーヌ・ルパン
1976年10月
アルセーヌ・ルパンの第二の顔
平均:4.00 / 書評数:1
1975年01月
バルカンの火薬庫
平均:5.00 / 書評数:1
1974年10月
ウネルヴィル城館の秘密
平均:7.00 / 書評数:1