皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 警察小説 ] 捜査官ケイト 女性捜査官 ケイト・マーティネリ |
|||
---|---|---|---|
ローリー・キング | 出版月: 1994年11月 | 平均: 4.00点 | 書評数: 1件 |
集英社 1994年11月 |
No.1 | 4点 | ROM大臣 | 2023/01/26 14:58 |
---|---|---|---|
サンフランシスコのベイ・エリアには、タイラーズ・ロードと呼ばれるコミューンがあった。荘園住まいの現代風領主を気取っているジョン・タイラーの地所に当たるその地域には、電気も電話もなく、車の通行も週に二日しか許されていない。七十人以上の住民が俗世間から逃れ、平和な生活を享受していた。だが、そこで凄惨な幼女連続殺人事件が発生したのである。
主人公ケイトの捜査活動にどちらかといえば重点を置き、私生活の方はさらっと描いているので、読んでいてもさほど重たくはない。気になったのは、四九九ページの感動的な場面での「盗まれた手紙」という語句で、訳者はゴシック小説に結び付けた説明を行っているが、これはポーのかの有名な短編の、手紙の隠し場所のことを指しているのではないだろうか。訳者の解釈だと、この場面の性格がまるっきり違ったものになってしまうので、一言苦言を呈しておきたい。 |