海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 本格/新本格 ]
殺人依存症
櫛木理宇 出版月: 2020年10月 平均: 6.00点 書評数: 2件

書評を見る | 採点するジャンル投票


幻冬舎
2020年10月

No.2 7点 メルカトル 2023/01/30 22:14
息子を六年前に亡くした捜査一課の浦杉は、その現実から逃れるように刑事の仕事にのめり込む。そんな折、連続殺人事件が勃発。捜査線上に、実行犯の男達を陰で操る一人の女の存在が浮かび上がる。彼女は一体何者なのか―。息をするように罪を重ねる女と、最愛の家族を失い死んだように生きる刑事。二人が対峙した時、衝撃の真実が明らかになる。
『BOOK』データベースより。

本格警察小説の佳作。
これ程胸糞の悪くなる小説は久しぶりに読んだ気がします。初っ端からエログロ全開で、その後も要所要所で同じような描写が見られます。その合間に堅実な捜査が行われ、犯人グループを追い詰めていきます。『ホーンテッド・キャンパス』シリーズしか読んでいないファンは、これを読んだら結構ショックを受けるでしょうね。この人はこんな作品も書いていたのかと嘆く声もあるでしょうし、称賛する人も当然いると思います。それでも文章は淀みなく流れるような筆致で、作者の実力の程が伺えます。

主人公の浦杉と隣の部屋の幼女との触れ合いと次第に深まっていく絆はある種清涼剤として、この殺伐とした物語を中和する作用を齎しています。
まあそれにしても、この世の中にはどうしようもない男どもがゴロゴロしている現状が浮き彫りにされ、なかなかの衝撃を受けました。後味は只管悪く、良くない余韻を残します。このままじゃ終われない、と続編を希望するも『残酷依存症』がそれに当たると思っていたのに違ったようで残念です。と思ったらやはり続編に当たるもののようでした。いずれにせよ私は本作を支持します。グロくても救いのない物語でも、嫌いにはなれません。

No.1 5点 HORNET 2022/04/30 11:27
 息子を六年前に亡くした捜査一課の浦杉は、その現実から逃れるように刑事の仕事にのめり込む。そんな折、連続殺人事件が勃発。捜査線上に、実行犯の男達を陰で操る一人の女の存在が浮かび上がる。彼女は一体何者なのか―。息をするように罪を重ねる女と、最愛の家族を失い死んだように生きる刑事。二人が対峙した時、衝撃の真実が明らかになる。(「BOOK」データベースより)

 浦杉の娘と、面倒を見ている少女が後半にどうなるのかかがあまりに予想通り。さらに、どうにもやりきれないバッドエンド。
 「慟哭のラスト」との謳い文句通り、あまりにも悲惨な終わり方。そんなにハッピーエンドにこだわる私ではないが…
 不愉快で受け付けない人も多そう。


キーワードから探す
櫛木理宇
2022年05月
氷の致死量
平均:5.00 / 書評数:2
2022年04月
残酷依存症
平均:5.50 / 書評数:2
2020年10月
殺人依存症
平均:6.00 / 書評数:2
2020年07月
虜囚の犬
平均:6.00 / 書評数:1
2020年04月
死んでもいい
平均:6.00 / 書評数:3
2019年04月
少女葬
平均:5.00 / 書評数:1
2017年10月
死刑にいたる病
2016年12月
209号室には知らない子供がいる
平均:6.00 / 書評数:1
2015年07月
チェインドッグ
平均:6.60 / 書評数:5
2015年05月
ドリームダスト・モンスターズ 眠り月は、ただ骨の冬
平均:5.00 / 書評数:1
2014年12月
ドリームダスト・モンスターズ 白い河、夜の船
平均:6.00 / 書評数:1
2014年08月
侵蝕 壊される家族の記録
平均:6.00 / 書評数:1
2014年05月
ドリームダスト・モンスターズ
平均:6.00 / 書評数:1
2014年04月
避雷針の夏
平均:5.00 / 書評数:2
2013年04月
ホーンテッド・キャンパス 桜の宵の満開の下
平均:5.00 / 書評数:1
2013年03月
赤と白
平均:6.00 / 書評数:2
2013年01月
ホーンテッド・キャンパス 幽霊たちとチョコレート
平均:6.00 / 書評数:1