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[ 警察小説 ] 叶うならば殺してほしい ハイイロノツバサ 箱崎ひかり |
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古野まほろ | 出版月: 2021年05月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
講談社 2021年05月 |
No.1 | 7点 | HORNET | 2022/03/19 22:49 |
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真夜中の吉祥寺で火事が発生。現場からは、10代と思しき少年少女4人の遺体が発見され、しかも唯一の少女の遺体は手錠でつながれていた。遺体の状況から、少年たちが少女を監禁し虐待していた様相が浮かび上がる。そんな中で唯一、その家に独り暮らししていたはずの17歳の少年が無傷で生き残る。真実を知る少年が完全黙秘を貫く中、26歳キャリアながらゴスロリファッションで現場を闊歩する異色の女性管理官・箱崎ひかりが捜査にあたる。
600pを超える厚みのある一作だが、停滞しない展開が持続され、キャラクタリスティックな主要人物の味もあって非常に面白く読めた。はじめは監禁・性的虐待という、鬼畜少年たちによる凶悪事件といった、ある意味オーソドックスな様相を呈していた事案が、次第に複雑な背景を醸し出していく。まぁそりゃそうでなきゃ面白くないんだが、派手な舞台とキャラクター設定の一方で、捜査・推理はきちんと組み立てられていて、ミステリとしても精度の高い一作だと感じた。 |