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[ 本格/新本格 ]
インド宮廷秘宝殺人事件
小川久美子
新谷識 出版月: 1995年11月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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双葉社
1995年11月

No.1 5点 nukkam 2021/11/16 04:17
(ネタバレなしです) 新谷識(1921-2008)の最後のミステリー作品となった1995年発表の本書で活躍するのは阿羅悠介の姪・小川久美子です。小川由美子の間違いではと思われる読者もいるかもしれませんが、由美子の姉です。「ヴェルレーヌ詩集殺人事件」(1990年)にも登場していて謎解き議論の中で推理貢献しているのですが、積極的に捜査に首を突っ込む由美子と比べて地味な存在で私はすっかり忘れていました(恥)。間違いと言えば「ヴェルレーヌ詩集殺人事件」では世史子だった悠介の妻が本書では淑子になっているのはさすがに作者の間違いでしょう。インド宮廷秘宝展の開催準備に関わっていた宝石デザイナーが殺され、インド史に詳しい久美子が警察を助けるというプロットで後半はインドが舞台になります。インドに関わると思われるダイイング・メッセージの謎解きが中心なのはインド史研究家として名高い作者ならではの個性とは言えるのですが、ほとんどそれに終始しているため一般知識レベルの読者に受けるか微妙です。もっと説得力のある証拠が散りばめてあれば本格派推理小説として充実したものになったと思います。


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新谷識
1995年11月
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