皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格 ] 殺人ゲーム ステファニー・キング刑事シリーズ |
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レイチェル・アボット | 出版月: 2021年07月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
KADOKAWA 2021年07月 |
No.1 | 5点 | nukkam | 2021/07/28 16:35 |
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(ネタバレなしです) イギリスのレイチェル・アボット(1956年生まれ)はトム・ダグラス警部シリーズやステファニー・キング刑事シリーズを書いているので警察小説の書き手かと思っていたら、本国では「サイコ・スリラーの女王」と評価されているそうです。私はそのジャンルへの関心がない読者なのですが、2020年発表のステファニー・キング刑事シリーズ第2作の角川文庫版の巻末解説で「本格ミステリー要素をふんだんに取りこんだ」、「クリスティファンにも本書はおすすめ」と書いてあるのでトライしてみました。タイトルは派手ですが物語のテンポは遅く、疑心暗鬼に陥って人間関係が段々とげとげしくなっていくプロットです。終盤に伏線を回収しながらの謎解きがあるところは本格派とも言えますが、殺人犯の正体が判明した後に最大のクライマックスを用意している構成がやや異色です。クリスティとは作風がかなり違っていて「クリスティファンにもおすすめ」には疑問符がつきますが、これ見よがしの狂気描写や派手な残虐シーンはありませんのでまあ万人向け作品でしょう(但し真相の一部にとても残酷な要素があるのですけど)。作品ジャンルとしてはサスペンス濃厚な本格派か本格派要素のあるサスペンスか微妙なところ。(全く知見ないけどイメージ的に)サイコ・スリラーではないように思いました。 |