皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ サスペンス ] ランナウェイ |
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ハーラン・コーベン | 出版月: 2020年12月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 2件 |
![]() 小学館 2020年12月 |
No.2 | 7点 | YMY | 2025/04/29 22:01 |
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金融アナリストのサイモンの娘が薬物中毒になって失踪してから半年が経った。セントラルパークで偶然娘を見かけたことがきっかけで、彼は重大な事件に巻き込まれる。
探索行を続けるサイモンとは別に、二つの視点で叙述が行われる。父親の依頼で行方不明の息子を捜す私立探偵、そして依頼を受けて人を殺し続ける謎の二人組だ。 一見バラバラなこれらの語りは、物語のある時点で合流する。そこで明らかになる真相が興味深い。壮大な構図によってアメリカ社会の全体を照射する、手慣れのスリラーである。 |
No.1 | 7点 | 空 | 2022/11/29 21:48 |
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1995年からスポーツ・エイジェントのマイロン・ボライターを主役としたミステリを発表して評判になった作者の、2019年発表シリーズ外作品です。文庫本で600ページを超える大作ですが、人間関係の説明なども明確に書かれ、読みやすくできています。
カバー解説では「著者のフェアな目線」と書かれていますが、これについて巻末解説では「これは最先端の物語だ」という見解の下、現代の情報社会に対するコーベンの眼差しは「限りなく″公正(フェア)だ」〟と説明されています。コーベンを読んだのは初めてなので、他の作品についてはわかりませんが、本作はむしろネット世界の一部である遺伝子情報サイトからの知識で何が起こり得るかという点を基にして構成された作品という気がしました。 2人の殺し屋とその依頼人が最後あまりに間抜けな情報不足をさらけ出すなど、ご都合主義も見受けられますが、充分楽しめる内容になっています。 |