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[ 本格 ]
ベーカー街の女たち
ミセス・ハドスンとメアリー・ワトスンの事件簿
ミシェル・バークビイ 出版月: 2020年05月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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KADOKAWA
2020年05月

No.1 5点 nukkam 2021/01/19 22:33
(ネタバレなしです) 英国のミシェル・バークビイによる2016年発表のデビュー作です。コナン・ドイルのシャーロック・シリーズに登場するハドソン夫人とワトソン博士の妻メアリーを主人公にした外伝的なパロディー作品です。ただ本書の英語原題は「The House at Baker Street」、シリーズ第2作(2017年)が「The Women of Baker Street」なので角川文庫版の日本語タイトルは後者こそふさわしいのですが。女性2人を主人公にしていますが雰囲気に明るさや華やかさはほとんどありません。むしろ作中時代の英国社会の暗部が強調されていて、アン・ペリーの歴史ミステリーに通じるような重苦しさがあります。探偵としての経験もなく、しかも女性ということで色々なサポートを得ての捜査になるのは自然の流れですけど、ホームズとワトソン博士には意地でも頼ろうとしてませんね(笑)。冒険スリラー色が濃いですが、悪人との対決場面では推理で対抗するなど本格派も意識した作りになってます。まあ読者と推理競争するタイプの謎解きではありませんけど。当然ながらドイル作品を連想させる演出は沢山ありますが、「四つの署名」(1890年)についてはほとんど完全にネタバレされているので注意下さい。


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ミシェル・バークビイ
2020年05月
ベーカー街の女たち
平均:5.00 / 書評数:1