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[ 警察小説 ] 殺人図像学 |
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マルコス・M・ビジャトーロ | 出版月: 2007年09月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
東京創元社 2007年09月 |
No.1 | 5点 | 猫サーカス | 2021/01/05 20:08 |
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女性刑事ロミリアが活躍するシリーズ二作目。七年前、ロミリアの姉ケイティを惨殺した「ウィスパー」がまた現れた。凄惨な犯行現場には奇妙なメッセージが残され、犯人は警察を挑発し続ける。姉の敵を取るために警官になったロミリアは、復讐に燃え、猛然と捜査に取り組む。解説にも書かれているようにロミリアは火の玉のように熱い。激情に駆られ容疑者を殴りつけたり拳銃を向けたりする暴走も、なるほどと思わせる。しかし、全ては正義のため、殺された姉のため。さらに夫を亡くして一人で育てている幼い息子への愛のため。読者として胸がすく思いがした。また、奇妙な形でロミリアを助ける麻薬王テクン・ウマンが実に魅力的。彼とロミリアとの間には不思議な共感が存在し、追う者と追われる者のあいだの緊張がゆるむ瞬間が印象的。犯人が仕掛けた知的な罠を、ロミリアはガルシア・マルケスやダンテなどの文学的素養によって解き明かしていく。その謎解きの過程は大いに楽しめた。 |